日本からやってきた友人が、「この写真の場所に行ってみたい!」と見せてくれたのがサーフボードが並んだ塀の写真の絵葉書。ノースショアのハイクにある家の一角が絵葉書になっていたとは知らず、驚きながらも友人をドライブに連れていきました。広い敷地をぐるりと囲む長い塀は田舎道に沿っており、並ぶサーフボードは敷地を守る守衛さんのようにも見えれば、様々なデザインや加工が施され、使い込まれたサーフボードはアートギャラリーのようにも見えるのです。
家族の誰かがサーフィンをするとなると、家に数枚はあるサーフボード。子どもたちは使い古しのボードで練習をはじめ、初めての新しいサーフボードを手にし、サーフィンに夢中になるほどにボードの枚数も増えていくもの。と同時に、使わなくなったサーフボードも出てくるわけで、売ってみたり、誰かにあげたりと処分の方法も考えなくてはならないのです。
サーフィンのメッカであるノースショアであれば、使われなくなったサーフボードも多く、この家の塀の作り手も、塀を作る素材を買うよりは自分の回りの使わなくなったサーフボードを使えばいいと、気軽なリサイクルだったようですが、このアイディアに魅せられた人は多かったようで、写真を撮りにくる人もいれば、使わなくなったサーフボードを是非使ってほしいと持ってくる人もいるとか。
家の塀などは土地の生活が垣間みれるもの。石垣であれば、地域に多くある石が素材として使われ、石垣の高さなども土地にあった高さになるはず。マウイ島も牧場地域は敷地の囲いにはキアヴェの木の杭が定番、住宅地ではハワイの文化的な背景が感じられるティの木の生け垣、風が強い地域では風よけになるウィリウィリの木が植えられています。それを考えるとこのサーフボードの塀、サーフィンの文化が色濃いノースショアでは、自然な成り行きに違いありません。