マカヒキと呼ばれる今の季節が大好きです。時期的には10月中旬から2月の中旬、雨が多くなり、山に緑も増えて植物が生い茂る、つまりは雨季ということですね。昔からハワイの人々はこの時期、四大神の一人であるロノという神様が滞在されるとし、雨を司り、豊穣、収穫、実りをもたらすロノという神様を大切に迎え入れていたそうです。
現代でも、マカヒキの始まる10月に各島でアロハフェスティバルなどが催されています。このフェスティバルはマカヒキを祝う意味もあり、マカヒキの季節に行われていたことを後世に残していこうという試みでもあります。
というのも、ロノという神様は平和の神でもあり、マカヒキの季節には戦いはしないことになっていたため、ハワイの王さまたちは様々な競技会を行っていました。技を競うことで戦士たちの技術を向上させようとしたのです。
カヌーやサーフィン、フラなどの競技会は現代に残るハワイ文化的な競技会はもちろんのこと、昔からマカヒキに行われていた競技としては、ウルマイカという石を転がすボーリング、フキフキという綱引き、ウマという腕相撲などの体力を競うものから、コナネと呼ばれる囲碁のような頭脳戦まであります。
娘が幼稚園から通っているハワイアン・イマージョン・プログラムというハワイ語で教育を行う学校では、毎年10月にマカヒキの始まりを祝う日があり、子どもたちはロノを迎え入れるオリ(詞)を唱え、ウルマイカやフキフキなどをして遊びます。そして1月の終わりの今、2月に終わるマカヒキの季節に備え、ロノという神様のもたらした恵みに感謝して、ロノを送り出す行事を行う準備をはじめたところです。
マカヒキの季節の終わりに、海を見れば色が濃いように感じ、マウイ島の西側の山、大量の水を湛えるマウナ・カハラヴァイは山自体が膨らんだかのように緑色、東のハレアカラーも若草色の裾野を広げているのが見えます。我が家の小さな庭や畑でさえ、水分がたっぷりと補給され、大地が春や夏への準備万端。マカヒキの雨に「今年もありがとう」です!