ハワイの歴史と文化に育まれた食べ物に『ハワイアンフード』と『ローカルフード』がある。
『ハワイアンフード』とは、賽の目切りにしたマグロを塩や醤油で味付けたポケ、タロイモをすり潰して発酵させたポイ、地中に造ったカマド(イム)で豚肉を蒸し焼きにしたカルアポーク、魚肉や鶏肉などをタロイモの葉で包んで蒸したラウラウなどの先住民の知恵で作られ育まれた数々の料理のこと。
一方『ローカルフード』は、ハワイに移り住んだ人達が作り出した料理で、故郷沖縄の山羊汁を恋しく思い作られたというオックステールスープ、ラーメンを恋しく思い日本人移民と中国人移民が作ったといわれるサイミン、ポルトガル移民のために作られたといわれるマラサダなどなど。
そんな『ローカルフード』の一つに『ロコモコ』がある。『ロコモコ』が誕生したのは、1940年代後半のハワイ島ヒロの町。ロコモコを作ったのはレストラン『リンカーン・グリル』店主のナンシー・イノウエさん。注文したのはレストランの隣にあるリンカーン公園で、フットボールの練習をしていた一人の少年だといわれている。
練習を終えた少年が¢25をナンシーさんに差し出しこう言った。「これで満腹になる新しい食べ物を作ってよ」。ナンシーさんは、サイミンボウルに、ごはんをよそい、ハンバーグをのせ、グレイビーソースをかけ、目玉焼きをのせて少年に差し出した。これがロコモコ誕生の瞬間。ロコモコという名前の由来は、その少年のニックネーム。大胆なプレイをする少年のニックネームは、クレイジーを意味するスペイン語の“ロコ”。響きがよい“モコ”をつけて『ロコモコ』となったそうだ。(ジョン・ペニスティン元ハワイ大学教授調べ)
そんなリンカーン・グリルのナンシーが作った『ロコモコ』は、今ではハワイのB級グルメの代表選手として、多くのレストランやドライブインのメニューに記され、それぞれの店の味わいがある。味わいの違いのポイントは『グレイビーソース』と言っても過言ではない。
『ロコモコ』をいただくなら、ちょっとこだわりたいという方には、ロコモコ誕生の地のドライブイン『カフェ100』。カフェ100は、ハンバーグ以外の食材を使った変わり種ロコモコが約15種類もあるほどバラエティが豊富だ。
ロコモコ誕生の地ハワイ島のカフェ100
969 Kilauea Ave., Hilo,Hawaii
電話:808-935-8683
http://www.cafe100.com/
営業:11:00~ 18:00
休み:土・日