ハワイ島には四千メートルを越える高山がふたつあります。ハワイ好きのみなさんの間でもよく知られているのがマウナケア。マウナケア山頂は、世界で一番星空がよく見える場所ともいわれていて、各国の天文台がたくさんあることで有名です。標高は4,205メートルあり、環太平洋で一番高い山。海から隆起した火山なので、海底から計るのが実際の高さと考える人もいて、そうするとなんと10,203メートル!エベレストを軽く抜いて世界一になります。
もうひとつの高山は、マウナケアのすぐお隣にあるマウナロア。こちらは標高4,169メートルです。高さではマウナケアに若干劣るとはいえ、実は、マウナロアは別の意味で世界一の山。それはこの山の大きさ、体積です。ハワイ島の面積の半分を占める広大なマウナロアは、なんと地球で一番体積が大きい山。そのあまりの重さに、ハワイ島は創世以来、8キロメートルも地盤沈下したといわれています。ちなみにマウナロアとはハワイ語で長い・広い山という意味。まさにこの山にぴったりの名前ですよね。
マウナケアと違って途中から車道が通じていないため、マウナロアの山頂に行くには徒歩で登る必要があります。中腹の気象観測所までは車で、そこからは往復8マイル(約12.8キロ)のトレイルを登ります。このトレイル、距離だけ見るとさして大変そうでもないのですが、実はかなりの上級者コース。チャレンジするなら体調を万全に整え、入念な準備をすることが必要です。なにしろ高地で空気が薄い上、勾配も急でデコボコ。往復10時間ぐらいはゆうに掛かるタフなハイクなのです。でもそんな苦労をした暁、マウナロアの山頂に立った一人になれる感激はひとしおかもしれませんね。