ハワイ島の西の拠点、カイルア・コナのランドマークはカイルア桟橋。この桟橋に立つと、小さな入り江を挟んだ向こう側に茅葺きの小屋のようなものが見えます。これは、古代ハワイの神殿・ヘイアウのひとつ。名前をアフエナ・ヘイアウといいます。
アフエナ・ヘイアウは、カメハメハ大王によって作られました。大王がハワイを統一した後、カイルア・コナは首都に定められ、大王の居住地となります。そしてアフエナ・ヘイアウは、大王の側近、大臣たちが日ごと集まって会合を行なう、いわば政の中心地となりました。1819年、カメハメハ大王が亡くなったのも、このヘイアウでした。
大王の死後、ハワイの伝統的な慣習・法律は廃止され、同時にヘイアウも廃絶されてしまいます。現在のヘイアウの建物は、1970年代、ハワイの文化を見直す活動ハワイアン・ルネッサンスが起こった後に再建されました。現在はアフエナ・ヘイアウ保護団体がこの貴重なヘイアウの修復・保存を担っています。
いまでこそ観光の街として知られるカイルア・コナですが、かつてはハワイの歴史・文化の中心地だったのです。そのことを証明するのが、このヘイアウというわけなのです。