なんってたってパンケーキ

2013.02.20

ハワイといえばパンケーキ。そんな観光客を中心に相変わらず人気を集めている。ワイキキの人気店『エッグスン・シングス』のストロベリー・ホイップクリーム・ナッツパンケーキ、ハレイワの人気店『カフェ・ハレイワ』のオールフルーツ・バターミルクパンケーキ、カイムキの人気店『カフェ・カイラ』のイチゴ&バナナ&ブルーベリー・バターミルクパンケーキなどなど。

そんなハワイのパンケーキブームの火付け役は、ワイキキに2店舗、アラモアナに1店舗を構える『エッグスン・シングス』。その歴史は、今から約40年前、ワイキキ西エリアのエナ通り沿いに小さな店を構えたことからはじまる。創設者の名前は、ジェリー・フクナガ氏とジャン・フクナガ氏。2人はワイキキで働く人達に、おいしい朝食を食べて欲しいと、卵をはじめ新鮮な食材を使った料理を手頃な価格で提供した。オムレツやワッフル、そしてパンケーキ…安くてうまいが評判となり、瞬く間に人気店となった。

実は、安くてうまい以外にもう一つ人気となった理由がある。それは…営業時間だ。深夜から早朝、そして、昼過ぎにかけての営業時間(午後11時から午後2時まで)だった。ジェリー・フクナガ氏とジャン・フクナガ氏の『ワイキキで働く人達に、おいしい朝食を食べて欲しい』というその思いは、ワイキキで働く人達に確実に届いた。その人達の職業は…漁師。当時は、アラワイ運河から船を出し、沖合いで漁をする人達が、ワイキキ周辺に大勢暮らしていた。深夜から早朝にかけて船に乗り込む人にも、早朝から昼過ぎに船から降りる人にも、その営業時間は大変都合のいい時間帯だった。エナ通りからカラカウア通りに移転した後も、その営業時間は変わらなかった。

その頃のその人達の胃袋を満足させていたパンケーキは、今人気のストロベリー・ホイップクリーム・ナッツパンケーキではない。ホイップクリームやナッツやフルーツがてんこ盛りにトッピングされたパンケーキは、スイーツ好きの日本人観光客のために考え出されたもので、本来のパンケーキとは別物なのだ。

そもそもロコが朝食でいただくパンケーキは、ベーコンやソーセージ、オムレツやスクランブルエッグに添えられた、薄焼きのプレーンタイプで、パンケーキ自体にトッピングをしない。ベーコンやオムレツがおかずで、パンケーキがゴハンなのだ。ゴハンならフリカケとなるが、ロコは、パンケーキにシロップを“たっぷりたっぷり”かけていただく…これがロコスタイル。

全米に店を構える『オリジナル・パンケーキハウス』に、フォーティーナイナー・フラップジャックスというパンケーキがある。クレープのような薄焼きのパンケーキを3枚重ねにしたメニューで“オールド・ハワイアン・パンケーキ”とも呼ばれている。なぜ薄焼きの3枚重ねのパンケーキがそう呼ばれているのかは単純明快。1枚の厚めのパンケーキよりも表面積が広く、その分シロップを“たっぷりたっぷり”からめていただけるからだ。

ロコが甘いもの好きなのは、サトウキビを生産していたプランテーション時代の名残りといわれている。スイーツタイプのパンケーキをいただくもよし、オールドハワイアンタイプのパンケーキをいただくもよし、ぜひハワイの食文化の一端を味わっていただきたい。(写真=ハワイスタイル/枻出版社 より)

エッグスン・シングス
339 Saratoga Rd., Honolulu
電話:808-923-3447
営業:7:00~14:00
https://eggsnthings.com/

エッグスン・シングス サラトガ本店

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