ロコモコが誕生したのは、1940年代後半のハワイ島ヒロの町、作ったのはレストラン『リンカーン・グリル』店主のナンシー・イノウエさん、注文したのはレストランの隣にあるリンカーン公園で、フットボールの練習をしていた一人の少年。
練習を終えた少年が¢25をナンシーさんに差し出しこう言った。「これで満腹になる新しい食べ物を作ってよ」。ナンシーさんは、サイミンボウルに、ごはんをよそい、ハンバーグをのせ、グレイビーソースをかけ、目玉焼きをのせて少年に差し出した。これがロコモコ誕生の瞬間。
ロコモコという名前の由来は、その少年のニックネーム。大胆なプレイをする少年のニックネームは、クレイジーを意味するスペイン語の“ロコ”。響きがよい“モコ”をつけて、ロコモコとなった。(ジョン・ペニスティン元ハワイ大学教授調べ)
ロコというニックネームのフットボール好きの少年のリクエストで、リンカーン・グリルのナンシーが作ったロコモコは、ハワイのB級グルメの代表選手として、多くのレストランやドライブインのメニューに記され、ロコにも観光客にも親しまれている。
シンプルな料理だが、それぞれの店の味わいがある。それはグレイビーソースがポイント。醤油で味を整えたL&Lハワイアン・バーベキュー、ターキーベースのカピオラニ・コーヒー・ショップ、昆布と海老と生姜が隠し味のレインボー・ドライブン、野菜をじっくり煮込んだメグズ・ドライブンなどなど。お気に入りの店を見つけるのも楽しい。
ロコモコをいただくなら、ちょっとこだわりたいという方には、ロコモコ誕生の地のドライブイン『カフェ100』と、サイミンボウルの盛り付けられた発祥の姿に近いロコモコを提供する『リケリケドライブイン』。
カフェ100は、ハンバーグ以外の食材を使った変わり種ロコモコが約15種類あり、価格は$3~6。リケリケドライブンは、オアフ島のアラモアナセンターの北側にあり、1953年創業、今年60周年を迎えた老舗レストラン。店名の『リケリケ』は、リリウオカラニ女王の妹リケリケ王女に由来し、ハワイ語で『似ている』『同じ』という意味。
ロコモコのロコ風の食べ方は、とことん混ぜる、ハンバーグの形が無くなるまで混ぜる。そしてかき込む。飽きたら醤油、タバスコ、ケチャップをかけていただく。
ロコモコは、B級グルメの真骨頂だ。(写真=増田高寛/ハワイスタイル枻出版社)
ロコモコ誕生の地ハワイ島のカフェ100
969 Kilauea Ave., Hilo,Hawaii
電話:808-935-8683
http://www.cafe100.com/
営業:6:45~ 20:30、金曜~21:00、土曜~19:30
休み:日曜