太平洋の真ん中にあり、大陸と接したことのないハワイには、大型の四つ足動物はもともといませんでした。ハワイ固有種の動物といえば、鳥や昆虫が主。なかでもよく知られているのは、ネネかもしれません。
ネネはハワイ州の鳥でもあり、英語ではハワイアングース、つまり鴨の一種です。鴨というからには水鳥なのですが、ハワイ島では、ボルケーノ国立公園の辺りが主な生息地域。生命力旺盛な外来種がハワイに入って来た後、のんびりしていて競争力のないネネは次第に標高の高い、つまり住みにくいけれど天敵の少ないエリアに移動して来たのだといわれています。そんなこともあり、ネネはハワイの多くの固有種同様、絶滅危惧種なのですが、現在は国の野生保護局や国立公園などの保護努力により、少しずつ生息数が増えているとか。嬉しいことです。
ボルケーノ国立公園やボルケーノ・ビレッジ辺りを訪れると、ふと道端でネネを見かけるなんてこともあります。ネネは穏やかな鳥なので、近寄っても攻撃してきたりは、まずしないのですが、あまりそばにいくのはネネたちにとってストレスになるようです。見かけた時は、そっと見守って、写真もあまり近寄りすぎず、ズームで狙うぐらいの心遣いをしたいものですネ。