注目度抜群のアーティストKris Goto

2017.05.21

傘をさしてチューブライディングをするちょっぴりふくよかな女の子。細かなタッチとシュールなアートが印象的で、どんなテーマがこのアートに隠れているか?と思わず絵の中にに引き込まれてしまう。ハワイでは今まで誰もやってこなかったスタイルで、独特なサーフアートをクリエイトしているのがクリス・ゴトー(Kris Goto)である。彼女の勢いがすごい。

ワイキキのブティックホテル「サーフジャック・ホテル」の全室にアートが飾られ、今年リニューアルオープンしたワイキキトレードセンター内のスターバックス・リザーブ・コーヒー・バー・ハワイでは店内壁画を手掛けるなど、ハワイ若手アーティストの中でも群を抜いて急成長を遂げているのだ。

クリスは鹿児島生まれの日本人。9歳の時に香港へ移住し、高校2年間はニュージーランドで過ごす。そして19歳でハワイへ引っ越し、現在はホノルルをベースにアーティストとして活動している。漫画が大好きで漫画家志望だったクリスだが、ニュージーランドの高校の美術教師に様々な技術を指導され、自らアートに広がりを見出しアーティストを目指すようになった。ハワイ移住後は進学はせず色々な仕事をしながら、ある時ダウンタウンの有名ギャラリー、マークス・ガレージを訪問。アート募集の広告を見て出品したところなんと合格し、2009年に初めてアートギャラリーに絵が展示された。そして、マークス・ガレージのキュレータを務めるリッチー氏のもとで2年間インターンとして、アートイベントのプランニングやコーディネーションなどをこなしアートの世界を勉強することとなる。

その後、カカアコのPow! Wow! Hawaii参加やGreenroom Galleryでの取り扱いが始まりアーティストとして注目されるようになると、フランスのサーフィン雑誌やアメリカのHuffington Postなどで取り上げられるようになり、一気にハワイ新進気鋭のアーティストとして注目の存在へと成長した。現在は、ギャラリーを中心にセレクトショップでもクリスの作品が取り扱われるようになり、20代にして大手企業をクライアントに持つハワイ在住アーティストとして地位を築き上げた。

サーフアートのカテゴリーに居を置きながらも、独特なテーマと繊細なラインアートが特徴で独自のポジションを確立。ところどころに遊び心がある中にも、深い意味が込められているかのようにも見えるクリス・ゴトーのアートは、そう、ただのサーフアートではないのだ。
ハワイのサーフアート界に新星のごとく現れたクリス・ゴトーの今後に要注目だ。

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