ハワイの病院で未熟児を担当する医師というシリアスな職業の傍ら、 レイの美しさに魅せられ他にはない独特なスタイルでアートをクリエイトし続けるジャッド・ボロカー(Judd Boloker)氏。セレクトショップのLa Museで数年前に見かけて以来、以前から気になっていたレイのアートはとにかく印象的だった。独自のネットワークで仕事をしている私のところに最近Boloker氏の名前を聞くことが多くなり、ついに多忙に過ごす本人と接触するチャンスを得た。そんなボロカー氏のアートへの思いと「美しい」という言葉がピタリとはまる作品を紹介したい。
ニューヨーク出身のボロカー氏は10歳の頃から絵を習い、ニューヨーク時代には有名なファッションスクール、Fashion Institute of Technology (通称FIT)でイラストレーションのコースを受講したこともあるほど絵にのめり込んでいた。高校を卒業してから10年後、病院の仕事が忙しくストレスを感じる生活を送る中で、アートをまたやりたいと思ったボロカー氏は、ニューヨークの狭いアパートで再び色鉛筆を持ち、花の写真やサボテンなどを描き始める。その後2010年にハワイ移住を決め、ハワイにちなんだアートをクリエイトしたいという思いから、チャイナタウンの生花店で売られていたレイにインスピレーションを受け、アートのテーマにすることを決意。