5月1日は米国ではメイ・デイと呼ばれています。もともとヨーロッパで春の到来を祝うお祭りだったものが、ヨーロッパからの移民によって米国にやってきました。
ハワイでは1920年後半に米国から持ち込まれたメイ・デイという習慣を、ハワイの文化であるレイと合わせ、1927年に著名な詩人であるドン・ブランディングによって正式に提案されたあと、「メイ・デイはレイ・デイ」という歌も作曲されるなど、すっかり誰もが知るレイ・デイとなったのです。
レイ・デイはレイを身につける、レイをプレゼントする、レイを作るなど、花に囲まれるので、なんとも心の浮きたつ一日になるのですが、この特別な日をマウイ島で過ごすのであれば、是非訪れてほしいのがベイリー・ハウス・ミュージアムで行われる、レイ・デイ・ヘリテイジ・フェスティバル。
もともと歴史のあるベイリー・ハウス、小さなミュージアムではありますが、美しい庭とマウイ島の歴史を残す建物と展示を見ることができるのと、ワイルクの町の中心に近いのでコンサートやイベントなどが開催されることが多いのです。
レイ・デイ・ヘリテイジ・フェスティバルではハワイアン・ミュージックのコンサートが庭で行われるほか、定例のレイのコンテスト、島で名前を知られるレイの作り手がデモンストレーションをするなど、大盛況。
デモンストレーションだけではなく、実際に作り手からレイの作り方を学ぶこともできるのが魅力で、レイの作り手の周りを何人もの人が囲み、いくつものレイ作りの教室が並んでいるようでした。今年はレイ・デイの父と呼ばれる詩人ドン・ブランディングの本のコレクターでもあるトム・フェアバンクスが、当時印刷された本を展示し、詩の朗読の時間も。私は、展示されたレイや、レイの素材として持ち込まれた植物、レイを身につけた人たちが歩きまわるたびに動く香りに囲まれて、うっとりと満たされた時間を過ごすことができました。
レイから学ぶことは多いものです。素材である植物をまずはよく学ばなくてはいけないですし、作り方、管理の仕方、そして何よりも忍耐強さが必要。焦って仕上げようとしたり、何か別のことに心をとられていると、粗雑な仕上がりになってしまうので、レイには心が映るんですね。レイを編むことを学ぶことが、自分の人生を編むことにも、自分と家族、友人たちとの人間関係を編むことにもつながるような気がしてしまうのは、私だけでしょうか。
Bailey House Museum / Maui Historical Society
http://www.mauimuseum.org/