マウイ島ハナで毎年4月に行われる、イースト・マウイ・タロ・フェスティバルは、私が一番好きなマウイ島のお祭り。毎年欠かさず、10年ほど参加していますが、「今年も最高だったね!」と終わるのが定番。フェスティバルのある土曜日の前日にハナに移動し、土曜日一日をフェスティバルで過ごし、日曜日の午後までたっぷりハナで過ごし、遊び疲れて帰ってくるのです。
フェスティバルは1993年に始まり、ハワイの人々のソウルフードであるタロ(ハワイ語でカロ)の存在の価値を継続するために何かをすべきであるという動きが、当時各島で起こっています。オアフ島でパシフィック・アイランズ・タロ・フェスティバルが始まったのを知ったマウイ島ハナの人々が、タロ・フェスティバルをハナでやりたいと決起し、全身全霊をかけて開催を始めました。
ハナはカフルイ空港から車で2時間半から3時間、人が行き来するのも、物を運ぶにも大変な場所。そんななか、ハナの村のフェスティバルのメンバー、村の人々やその家族、友人たちの力で、第1回のフェスティバルに3000人ほどを集めたという記録が残っています。
朝9時に開催の儀式があり、その後ステージではハナの縁のミュージシャンたちの演奏が一日中、各テントが売る食べ物はタロを素材に使ったメニューが必ずなくてはいけない決まりになっており、ラウラウなどの伝統的な料理以外にも、乾燥したタロをまぶして揚げた唐揚げや、タロの入ったデザートなど様々。ハナならではの地元で取れた魚料理は大人気で、行列ができます。ハナの村の家族がそれぞれに料理する家庭料理のようなものですから、美味しいさ抜群。私は朝・昼・おやつを食べ、夕飯を買って買えることにしてるほどです。
そして、フェスティバルの翌日はハナ・ベイでタロ・パンケーキの朝ご飯が作られるので、翌日にみんなでまたハナ・ベイに集まって、ワイワイと賑やかに朝ご飯を食べれるのもお決まりのこと。
日本人にとってお米が神聖な存在であり、なくてはならない文化であるのと同じように、タロはハワイの人々の始まりであり、祖先であり、糧です。しかし、時代の流れの中で食生活は変化をとげていきます。タロの存在とともに、ハワイの文化とその価値を残そうとがんばるハワイの人々に、私は曾祖父母や祖父母の姿を重ねてしまうのです。祖父母の残した田んぼや畑を私たち世代が残そうと努力するように、ハワイの人々もタロの存在を何らかの形で伝え続けていかなくてはなりません。
写真は、私の娘の同級生の両親、毎年変わらずに子どもたちにタロのつぶしかたを教え、タロをつぶして作るパイ・アイ(つぶした食べ物のこと)を食べさせるデモンストレーションをしています。ハナの村に村の人口以上が集まる4月の週末は、マウイ島のハワイ文化の象徴といえるでしょう。
イースト・マウイ・タロ・フェスティバル
http://www.tarofestival.org/