【学ぶハワイ】米国唯一!宮殿のあるハワイの歴史を学ぼう

2020.06.17

ハワイは米国唯一宮殿がある州だということをご存知でしたでしょうか?
ハワイには、ホノルルのダウンタウンにあるイオラニ宮殿、ホノルルのヌウアヌ渓谷にあるエマ女王の夏の離宮(ハーナイアカマラマ)、そしてハワイ島コナのカイルア湾にあるフリヘエ宮殿の3つがあるんです。
どれの宮殿も観光客が訪れることができ、ハワイの歴史を学ぶことができます。

今回はハワイにある3つの宮殿をご紹介します。
宮殿からハワイの王族の歴史や、当時使用されていた美術品等を知ることができるので、次回のハワイ旅行の際は、その時代にタイムスリップした気分でぜひ訪れてみてくださいね!

① フリへエ宮殿

- 所在地:ハワイ島カイルア・コナ
- 建築:1838年

ハワイ島カイルア・コナの海沿いに佇む王家の別荘。
カイルア・コナは当時、王国のアリイ(首長)達が好んで住居を建てたことで知られています。

フリヘエ宮殿の建築者はジョン・アダムス・クアキニ。
ハワイ島の首長で、またハワイ諸島を統一しハワイ王国を作ったカメハメハ1世の従兄弟に当たります。

フリヘエ宮殿は石造りの2階建てで、両階とも3つの部屋があります。内装は今では希少価値のあるハワイの固有種のコアの木をふんだんに使用した豪華な作りです。宮殿はクアキニの死後、養子のウィリアム・ピット・レレイオホクに受け継がれ、レレイオホクの死後は、妻でありカメハメハ王国の末裔、ルース・ケエリコーラニ王女に引き継がれました。

当時は宮殿を王家の一族などがハワイ島に来たときの別荘として使用されていたようです。

ルース王女がフリヘエ宮殿を管理している間、カメハメハ4世と妻エマ王妃がたびたび訪れました。
宮殿内には家具も調度品も数少なかったため、エマ王妃は写真や絵画、花瓶などを飾り、カメハメハ4世はホノルルからダイニングテーブル、椅子、ピアノ、ソファーなどを送りました。
ルース王女が亡くなったあと、宮殿はバニース・パウアヒ・ビショップ王妃が財産を相続しましたが、その後カラカウア王が1885年に宮殿を購入しました。

カラカウア王は購入後、宮殿の大きな改築工事に着手し、現在のフリヘエ宮殿はドーターズ・オブ・ハワイという民間の歴史保存団体が引き継いでから備え付けた外の階段以外は、カラカウア王の大改修のままの状態で保たれています。

1891年カラカウア王が亡くなると、宮殿の相続は妻のカピオラニ王妃に。

カピオラニ王妃の死後は甥のデイビッド・カワーナナコア王子 とジョナ・クヒオ・カラニアナオレ王子に相続されましたが、その頃のハワイは歴史的文化財の保存などには全く関心がないという状態であったため、
非営利団体ドーターズ・オブ・ハワイの努力により、1973年には国家歴史的保存物として指定されました。
現在では宮殿内の見学ツアーも催行されています。

② エマ女王の夏の離宮(ハーナイ・アカマラマ)

- 所在地:オアフ島ホノルル
- 建築:1848年

ホノルル、ヌウアヌの谷にひっそりと佇む王家の別荘。
エマ王妃のサマーパレス(夏の離宮)は、別名ハワイ語で「ハーナイ・アカマラマ」(月の養子)と呼ばれ、1800年中頃、暑さと厳格な宮廷生活から逃れる別荘として、カメハメハ4世のお妃、エマ王妃とその家族により使われていました。王と王妃と幼少の息子アルバートと幸せな時間を過ごした場所でした。

建物は1848年にこの土地をハワイ政府から購入したハワイ系白人、ジョン・ルイスにより建てられました。この宮殿は、家の骨組みはボストンで作られ、ハワイに輸送し、ギリシャ風リバイバル様式で当時流行っていた東部建築方式とハワイ建築様式が融和された独自の建築となりました。

1850年にエマ王妃の叔父であるジョン・ヤング2世に売却され、ハワイ島先祖代々の郷里にちなみハワイアンネームの「ハーナイ・アカマラマ」が名付けられました。

その後ジョン・ヤング2世の遺言により、エマ王妃の手に渡りました。
サマーパレスは国家歴史登録財として認定され、パレス内にはエマ王妃の所持品を始め、当時の調度品、工芸品、そしてゆかりの品々が展示されています。
また、エマ王妃が大好きだったというロケラニ・ローズを始めサマーパレスの庭ではたくさんの植物を見る事ができます。

③ イオラニ宮殿

- 所在地:オアフ島ホノルル
- 建築:1882年

ホノルルに建つカラカウア王国唯一の宮殿。
ハワイ王国第7代目のカラカウア王が1882年に建てたホノルルにある当時のモダン・テクノロジーを駆使したハワイ王朝栄華の象徴である公邸。
欧州の建築様式で作られ、 宮殿内には、水洗トイレ、水と湯の出るシャワー、電話、ハワイでは初めて、またホワイトハウスよりいち早く、電灯が備え付けられました
大広間には大きなコア製の階段が広がり、ハワイ王国第1代目からの肖像画、世界各国や王室などから贈られた調度品が多数展示してあります。

公的なビジネスや舞踏会を行った1階とプライベートな空間の2階を分けているのがコア(ハワイ固有の木)の階段です。

踏み板の部分のコアは当時そのままのオリジナルです。飾りの部分にはハワイ固有のカマニやクルミの木も使われています。コア材が使われた現存している階段として、ハワイでもとても貴重な物となっています。

1893年ハワイ王国崩壊後、カラカウア王朝も滅び、さらに2年後、王政支持派のクーデターが起き、その首謀者と疑われたリリウオカラニ女王は逮捕されてしまいます。
事実は女王本人の謀反ではありませんでしたが、女王は暴力的な争いを避ける為、女王は自ら逮捕されました。かつて栄華を極めた王座の間で裁判を受け、反乱に加担した罪で5年間の重労働と5,000ドルの罰金が課せられ、宮殿内2階に幽閉されました。

実際に幽閉されていた部屋には、簡素な家具と The Queen's Quiltと呼ばれるクレイジーキルトが展示されています。
キルトは女王本人が幽閉中に作リ始め、女王自身のドレスのサテンやシルクのドレスの一部やヘッドバンドなどが使われています。クレイジーキルトと呼ばれる手法は、言葉通りクレイジーに色々な生地を繋ぎ合わせ、かざり刺繍で継ぎ目を縫う、当時アメリカ本土で流行った手法です。中心のブロックには女王の誕生日や幽閉された日などが刺繍されています。

ハワイのビーチやショッピング、グルメも楽しみのひとつですが、次回のハワイ旅行では宮殿巡りはいかがでしょうか?

それぞれの宮殿では、ハワイの歴史について触れられるガイドツアーも行われていますので、ハワイ旅行の際に一日「学びの日」を作ってみるのも、新鮮なハワイの過ごし方になるかと思います!
今から130年程前にはイオラニ宮殿に実際にリリウオカラニ女王が存在していたと考えると、実はそんなに遠い昔の話ではありません。
ぜひ今のハワイが作られた歴史背景を知って学んでハワイの深い魅力を感じてみましょう!

この記事に関連するタグ
【映画でハワイ】ジュラシックワールドの世界へ潜入!
【映画でハワイ】ジュラシックワールド…
2020.06.18
コラムの一覧
【バーチャルハワイ】日本から参加できる!イオラニ宮殿の観光ツアーに参加しよう!
【バーチャルハワイ】日本から参加でき…
2020.06.16

「おうちでハワイ」の最新コラム&ニュース