ハワイの自然やカルチャーを木版画で表現する異色アーティスト、Steven Kean

2021.07.16

オアフ島ノースショア在住のサーフアーティスト、プリントメーカー、スティーブン・キーン(Steven Kean)さん。彼がクリエイトする木彫りのアートは、波の荒々しい音を想像させつつもどこか温かみのあるユニークな作品だ。

スティーブンさんのアートが注目を浴びたのは2017年。ノースショアで毎年秋に行われるプロサーフィンコンテストのメインアートに大抜擢された。それ以来、様々なコラボレーションを行い、最近では地元民に愛されるスーパーマーケットであるフードランドがカハラエリアにオープンしたカハラマーケット(KAHALA MKT. by Foodland)のメインビジュアルも手がけた。

アーティスト活動以外にもハワイ州立美術館のインストラクターや、ノースショアにあるサンセットビーチ小学校で美術教師として教育分野にも従事しているスティーブンさん。

ホノルルに比べると自然が豊かなノースショアで暮らしサーフィンを愛するスティーブンさんに、環境に優しいライフスタイルやサステナブル・ツーリズムについて伺った。

スティーブンさんのエコライフ

普段の生活の中から自分ができることを実践しているというスティーブンさん。 プラスチック製のフォークやスプーンなどの使用を避ける、ウォーターボトルを持参してペットボトルの水は買わないなど無理なく環境に配慮したライフスタイルを送っている。

また、地元の農家から採れる野菜や果物を購入して地産地消を応援している。買い物の際には、もちろんエコバッグを持参。サーフィンが得意なスティーブンさんは、ビーチや海でゴミを見つけると拾ってゴミ箱に捨てているそうだ。

「普段の生活の中で三つのR、減らす(Reduce)、再利用する(Reuse)、そしてリサイクル(Recycle)を実践しています」

自身のエコライフ哲学と共に小さな実践の積み重ねがやがて大きな違いを生み出すと話してくれた。

サステナブル・ツーリズムを考える

ハワイにとってツーリズムとは、仕事を創出することはもちろん、数え切れないほどの地元のビジネスを支えるハワイの大きな経済の柱となっている。そして、ツーリズムによって世界中の人たちがハワイに来ることができ、この美しいハワイやアロハの精神を体験することができる。

今、経済活動としてのツーリズムと、ツーリズムによってもたらされる様々な環境問題を考える「サステナブル・ツーリズム」については、ハワイでも積極的に議論されている。教育者としても活躍されているスティーブンさんはどのように考えているのだろうか。

「ハワイに来る人たちが、ハワイの環境や文化をリスペクトすることに気づいてくれることは大切だと思いますね。サンゴの白化を食い止めるためにサンゴに優しい日焼け止めを使うこと、常にゴミを持ち帰るようにして、来た時よりも良い環境にすることなど、無理なくできることはたくさんあると思います。

環境への影響を最小限にとどめるよう行動を起こすことによって、将来ハワイに来る人たちが今と同じようにハワイの素晴らしさを体験することができるようになります」

WEAR ALOHA, SAVE ALOHA.への参加

今までは、サーフィンや海をテーマにした作品が多かったスティーブンさんだが、最近は植物をテーマにしたシリーズなどもリリースしている。スティーブンさんが参加した「WEAR ALOHA, SAVE ALOHA.」プロジェクト第3弾では、タロイモをテーマにしたデザインを提供した。

ハワイの農産物として重要な文化的価値を持つタロイモ。スティーブンさんがデザインを起こした様々な形状のタロイモは、コンピューターグラフィックではなく、彼自身が木彫りをしてハンドプリントしたアートがデザインの元となっている。

「タロイモのデザインを使ったアロハシャツを通じて、ハワイで我々が守っていかなくてはならない土地との繋がりを表現し伝えたい、という思いで作品を作りました。

「このプロジェクトに選ばれたことはとても光栄に思っています。素晴らしいチーム達とのデザイン工程も楽しかったし、そして何よりも素敵なアロハシャツができてとても嬉しいです!」

スティーブンさんから日本の方々へ向けたメッセージ

「アロハとは精神のあり方なんです。日本人の皆さんが現在ハワイに来ることは難しいかもしれないけれど、アロハの精神はどこにいても体現できるし、他の人々にシェアすることができます。

愛を広めていき、ポジティブな気持ちで将来へ希望を持ち続ける!日本人の皆さんがハワイに来てくれることを心から待ち望んでいるし、僕も日本に再び行ける日を楽しみにしています。アロハ!」

とってもポジティブなスティーブンさんのメッセージが、日本人の皆さんに届くことを願っています。スティーブンさんが参加したWEAR ALOHA, SAVE ALOHAプロジェクトのウェブページにて、スティーブンさんがクリエイトしたデザインについてのインタビューも掲載されているので、是非チェックしてみてください。

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