ワイキキから近いロコに人気のタウン、カイムキ（Kaimuki）。メインの通りであるワイアラエアベニュー(Waialae Avenue)にオープンしたゼロウェイストストア、キープ・イット・シンプル（Keep It Simple）。２０代の若き二人ジルさんとハンターさんがパンデミックの中、2020年12月にオープンさせた。オアフではカイルアにあるプロテアに続き２軒目のゼロウェイストストアとなる。
ゼロウェイストストアとは、プラスチックゴミを出さないことを目的とし、消費者がボトルを持参してソープや洗剤、シャンプー＆コンディショナー、ボディーケア商品などをマイボトルに詰めて購入するシステムのショップだ。
キープ・イット・シンプル店内では、様々なサイズの再利用可能なボトルを販売している。また、近所のコミュニティーが寄付してくれる空き瓶やジャーを洗浄し、ボトルを持っていないお客へ無償提供も行っている 。
プラスチックを使わない商品を探そうとしてもなかなか見つけることのできなかったジルさんとルームメイトのハンターさん。ジルさんは５年間働いていたワイキキのレストランがパンデミックの影響で閉店してしまったこともあり、「見つからないなら自分達でオープンしよう」と決意。１週間後には話がどんどん進み、あっという間にオープンさせたそうだ。
オアフで初めてのゼロウェイストストアであるカイルアのプロテア（Protea）は、洗剤やボディーケア商品、キッチン周りにフォーカスしているのに対し、ジルさんとハンターさんのお店ではルームスプレーなどに加えフードの取り扱いもあり、幅広い品揃えによって差別化を図っている。
量り売りのフードは、ナッツ、穀物類、パスタなどの他にスパイスも。
「レシピを見て少しだけしか使わないスパイスもありますよね。瓶入りで買ってもほとんど使わないのはもったいないので、使う分だけを購入してもらえたらと思います」
このフードディスペンサーのセクションは好評で拡張予定だそうだ。この他、地元メーカーのコンブチャやコーヒー、ヨーグルトやチョコレートなども販売している。
パンデミック中でのオープンだったが、ローカルコミュニティーに向けて発信していることでビジネスは順調に成長。しかし、観光が回復したらツーリストの人たちにも来て欲しいと願っている。
「ここに来て、ハワイ滞在中に使用する分だけシャンプーやボディーソープを購入してもらえたら、大きなボトルのシャンプーを買って残ったものを捨てるということがなくなりますよね。ボトルは購入しなくても、地元の人たちが寄付をしてくれたリサイクルボトルがあるのでこれを使ってください」
「ゼロウェイストのムーブメントは、ヨーロッパやオーストラリアでは当たり前になってきています。アフリカのケニアでもプラスチックや不織布の全廃が行われており、これからもゼロウェイストの動きはハワイで続くと思います。
ハワイで一番エコが進んでいるのはカウアイ島ですね。プラスチックを極力使わない努力が行われており、トルティーヤやパスタなども紙に包んでくれます」
旅行が趣味で、様々な地域でどのような環境への配慮が行われているかのリサーチを常に行っているジルさん。扱っている商品も極力地元で生産されたものにフォーカスし、地元で作られていないものは本土のスモールビジネスや、安価でいいものを作っているカナダから仕入れているそうだ。
「すべての原料がきちんとわかる透明性のある商品かどうか、またその企業が環境に配慮したビジネスモデルを持っているかなどを基準にして商品選びをしています」
お店で一番人気のアイテムは、カイルアのソープメーカー、ケアリア・オーガニックス（Kealia Organics）。ナチュラルな成分にこだわり、ボディーソープだけではなく、シャンプーやコンディショナーも固形のものを作っている。
未来に希望が満ち溢れる若干２３歳の起業家ジルさんの将来の夢を尋ねると、
「ゼロウェイストのお店をもう一店舗オープンさせたいですね。オアフかもしれないし、他の島かもしれません」
と、笑顔で答えてくれた。
様々な環境問題が深刻となっている今の地球で、次世代を担っていく若者たちが積極的にサステナブルなビジネスを行っていくことはとても重要なことであるし、頼もしく誇らしく思う。それと同時に、上の世代である私たちも彼らの活動をサポートし、 我々が過ごす今の地球と同じように未来の地球も自然の恵みが豊かであり、今とは違うライフスタイルであっても住みやすい環境であることを願って、地道に努力をしていく時期なのだと思う。
3466 Waialae Ave Suite, Honolulu 96816
(808)744-3115
営業時間: 11:00 - 18:00
https://www.keepitsimplezerowaste.com
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