生涯を通じ、「アロハ・オエ」など165曲以上の音楽作品を作ったと言われるハワイ王朝最後の君主、リリーウオカラニ女王。「ハワイで起きた数々の出来事を後世に残す」という使命からか、それらの作品に綴られた想いを通じ、当時の歴史の背景を垣間みる事ができます。
彼女の作品の中で、今でもハワイでポピュラーな楽曲のひとつが、ハワイの教会の礼拝時、教職者による祝福の祈りの後、演奏される事が多い「クィーンズ・プレイヤー」です。
1891年1月カラーカウア王の死により、リリーウオカラニは王位を継承し、女王に即位しますが、当時の社会情勢と相まって、順風満帆なスタートではなかったようです。
1894年7月4日、臨時政府はサンフォード・ドールを大統領として共和国の独立宣言を行った後も、新政府側と王政復古側の抗争は続きます。そして1895年1月16日リリーウオカラニの私邸からたくさんの銃器が見つかったとして、彼女は、反乱の首謀者の容疑で逮捕され、1月22日、反乱で捕らえられた約200人の命と引き換えに、リリーウオカラニは女王廃位の署名を強制され、ハワイ王国は滅亡することになります。
そして、統治者として職務を行った宮殿で行われた裁判において、2月27日、有罪判決がくだります。判決内容は、反乱に加担した罪で5,000ドルの罰金と5年間の重労働、イオラニ宮殿内での幽閉生活がスタートします。その幽閉時代に自分の気持ちを綴ったのがこのメロディー付きの賛美歌「クィーンズ・プレイヤー」(女王の祈り)です。
自分は今とらわれの身であるけど、神を信じて祈ります。
悪意や人の罪をとりただすのではなく、許し、清めて下さい
今後永遠に平和がもたらされるように、、、
と神への祈りの曲です。
資料によりますと、イオラニ宮殿に幽閉されていた1895年3月22日の作品となっています。歴史上では女王廃位の後ですが、ハワイの民衆を愛してやまなかったリリーウオカラニは、作品に対して「リリーウオカラニ女王」と記名されています。
この曲が作られて120年たった後、この曲にしたためられたリリーウオカラニ女王の想いが今も息づいている気がします。ハワイ旅行の際は、是非、イオラニ宮殿に足を運んでみて下さいね。
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