え!これ食べられるの?街歩きで探してみよう、ハワイの「伝統植物」

2023.05.23

夏が近づき、ハワイの木々も元気に街を彩り始めました!ハワイは5月には乾季に入り、青空が広がります。そうなると楽しくなるのが、街歩き♪お店の様子も気になりますが、夏の時期ならではの、元気な植物の様子を観察しながら歩くのも、とても楽しいものです。今回は、街歩きや観光スポットで見かける、ハワイならではの「食べられる」植物をご紹介します。…とは言っても、採って食べないでくださいね!食用のものはお店で買って試してみてください。

ホノルル動物園の入り口付近には、様々な木が植えられています。大きな日陰を作るバニヤンやモンキーポッド、プルメリア、そしてククイなどなど。

中でも、葉の色が淡い緑色に見えるククイの実は、梅の実にも似ています。この実の中に、ククイナッツが入っています。ナッツはレイの素材としてよく使われていますね。

丸い実を割ると、中からナッツが出てきます。さらにナッツの硬い殻を割ると、中には白く、油分を多く含んだもの(仁と呼ぶのだそう)が詰まっています。これがよく燃えるので、ロウソク代わりになったことから、ククイの木は「キャンドルナッツ・ツリー」とも呼ばれます。

ナッツの中身が食べられます。でも、よく火を通さないと、たちまち強力な下剤になるのでご注意!ナッツは殻ごとよーーく炒った後、殻を割って中を取り出します。茶色く焼けた色になった仁の部分を潰して塩と混ぜると、古代ハワイで調味料として使われていた「イナモナ」になります。炒ったククイの仁は、古代ハワイだけでなく、現代でもポケの調味料として使っているお店があります。ポケを買う際に材料が書かれていたら、「Inamona」という言葉を見つけてみてください。

アラモアナ・センターの3階からよく見えるウルの実

ハワイ最大のモール、アラモアナ・センターには、よく見ると数多くの植物が植えられています。中には、上の階を突き抜けるほど背が高いものも!

ギザギザの大きな葉が特徴のウルも、モール内に植えられています。ウルは「パンノキ」と呼ばれる木で、まん丸のボール状に育つ実は、炭水化物がたっぷり含まれています。そのため、主食にもなる実で、古代ハワイの人々は、タロに並んでウルの実も蒸し焼きにして、潰して食べていました。

現代でもウルは、実そのものに加え、薄くスライスして揚げたチップス、生野菜やクラッカーのディップなど様々に加工され、スーパーやファーマーズ・マーケットなどで売られています。

この巨大な木は、下から見るよりも、上から見下ろした方が特徴がよく分かります。アラモアナ・センターの3階から、じっくり観察してみてください。

タロ、葉っぱにご注目

古代ハワイの様子を、モールやホテルなどが今に伝えてくれています。特にワイキキは、昔、タロの畑が広がっていたことから、観賞用としてタロがあちこちで植えられています。日本でも見られる里芋と同じような葉なので、すぐに見つかると思いますよ。

タロ(ハワイ語ではカロ)は、地下に育つお芋の部分が収穫された後、蒸し焼きにして潰し、水を混ぜてのばしたもの(ポイ)をハワイアンは主食にしていました。現在でもハワイアンフードを売るお店で手に入るポイは、作りたてはお芋そのものの味ですが、数日置いて発酵させ、酸味が加わった物も売られています。

タロは、お芋の部分だけでなく、葉も料理によく使われています。

タロイモの葉は、ギュッと巻かれた状態で、茎からパカッと外に出てきます。料理に使われる葉は、まだ若く柔らかい葉。ビタミン豊富なタロの葉を、丈夫なティーリーフの上に何枚も重ね、豚肉か鶏肉を、脂身の多い魚、塩と共にクルンと巻いて作るハワイアンフードが「ラウラウ」です。

長時間かけて蒸して出来るラウラウは、中のお肉がトロンと柔らかく、肉汁をたっぷり吸いこんだタロの葉も、深い味わいです。ハワイ旅行も慣れてきたら、古代ハワイの人々が食べていた伝統的なハワイアンフードにも挑戦してみては?

古代ハワイの人々の生活を支えた「伝統植物」たち

今回ご紹介した「ククイ」「ウル」「タロ(カロ)」は、もともとハワイに自生していた植物なのでしょうか?実は、西暦500年代から1200年代にかけて、もともと無人島だったハワイに、まず南太平洋のマルケサスから人が渡り、その後タヒチから数多くの人々が移住する際に、移民がハワイへと持ち込んだ植物の一部なんです。

お皿になるコウ、布になるワウケといった、移民の出身地で使われてきた道具や日用品になる植物や、普段から食べている植物をカヌーに載せて、人々はハワイへと漕ぎだしました。ハワイには、在来種、外来種と並び、人々と共にカヌーで海を渡った植物は「カヌープランツ」と分類されていて、その日本語訳として「伝統植物」という言葉が使われています。いつかハワイで、「散歩しながら伝統植物を探し出す」というチャレンジも、面白そうですね。伝統植物にも様々な種類があるので、また追ってご紹介しますね。

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