100年越しの願いが叶った!「オリンピック選手」デューク・カハナモク

2024.07.23

2024年は夏季オリンピックの開催年!7月26日から8月11日にかけて、フランスはパリで開催されます。それでは、ここでクイズです。100年前となる1924年のオリンピック開催地はどこでしょう?答えは…

パリです!100年という時を超えて、同じ場所でオリンピックが開催されるのですね。
その1924年のパリ・オリンピックの舞台に登場していたのが、「近代サーフィンの父」としても有名なデューク・カハナモク氏でした。

1924年、パリ・オリンピックでのデューク氏。写真:Wikimedia, public domain

デューク氏、オリンピックデビューで大快挙!

1890年生まれのデューク氏のオリンピックデビューは、1912年のストックホルム・オリンピック(スウェーデン)。デューク氏が21歳の時のことで、水泳の100m自由形と、4x200m自由形リレーに参加しています。

オリンピックに先立って、ホノルル港で開催された水泳大会では、泳ぎがあまりにも速かったためにタイムウォッチの不具合だと思われ、記録が無効となったというエピソードがあるなど、飛びぬけた泳ぎのセンスを持っていたデューク氏。その後、晴れてアメリカ合衆国代表のオリンピック選手に選ばれます。

しかし、暖かいハワイで生まれ育ったデューク氏の戦いの場は、気温も水温も違うスウェーデンの地。低い水温に慣れるための特訓では、大変苦労したそうです。その大変な特訓を乗り越え、デューク氏は100m自由形で金メダルを、4x200m自由形リレーでは、銀メダルを獲得する快挙を成し遂げました。

ストックホルム・オリンピックで表彰されるデューク氏(左)。写真:Wikimedia, public domain

サーフィンを絶滅の危機から救う

デューク氏は、水泳のオリンピック選手として活躍しつつ、ハワイの文化の一つ「サーフィン」を、世界に広める活動を始めました。1912年にはアメリカ、1914年から15年にかけては、オーストラリアとニュージーランドに赴き、サーフィンを紹介しています。

実は、ハワイの大切な文化の一つであるサーフィンは、絶滅していたかもしれないものなのです。アメリカ東部からハワイへと渡った宣教師たちが、「サーフィンをする時間は労働に充てるべきだ」と強く説いていったことから、ハワイにおけるサーフィン人口が減り、サーフィンが絶滅の危機に瀕します。

そのような中、デューク氏と彼の仲間たちの努力で、サーフィンが息を吹き返し、ハワイの地でサーフィンが次第に復活。さらに、デューク氏を通して、サーフィンがハワイから世界へと広がっていきました。そういったことから、デューク氏は「近代サーフィンの父」と呼ばれているのです。

「近代サーフィンの父」として、サーフボードを背に立つデューク氏の銅像。写真:Hawaii Historic Tour LLC

「サーフィンをオリンピック種目に」

1916年のオリンピックは、第一次世界大戦により中止となりましたが、1920年に開催されたアントワープ・オリンピック(ベルギー)は開催の運びとなり、デューク氏は再び100m自由形と4x200m自由形リレーに登場。なんと、両方で金メダルを獲得するという、大快挙を達成しました。

この1920年の大会で、デューク氏は「サーフィンをオリンピックの競技の一つに」と大会関係者らに働きかけています。

1920年の大会の様子。デューク氏は5番レーンに。写真:Wikimedia, public domain

もしデューク氏が100年遅く生まれていたら…

そして、4年後の1924年。パリ・オリンピックにも100m自由形で登場し、銀メダルを獲得しました。

それから100年後の2024年、同じくパリで開催されることになったオリンピック。もし、1890年生まれのデューク氏が、1990年生まれだったとしたら、2024年大会では、どんな競技に参加するでしょうか…?

きっと答えは、「サーフィン」に違いないですね!パリ・オリンピックでは、サーフィンが種目の一つとなっていて、ハワイの南にある島々、フランス領タヒチが、サーフィン競技の開催地となります。

100年越しの願いが叶う

サーフィンがオリンピック種目の一つに初めて加えられたのは、2020年の東京オリンピックでのこと(実際に開催されたのは2021年)。1920年に「サーフィンを種目の一つに」と働きかけたデューク氏の願いは、100年後に東京で叶いました!そして、この東京大会のサーフィン競技(女子の部)で金メダルを獲得したのは、ハワイ州ホノルル市出身の、カリッサ・ムーアさんでした。

競技会でのカリッサ・ムーアさん。 写真:Wikimedia, Troy Williams

100年の時を超えて、オリンピック選手として、サーファーとして、そして、サーフィンという文化の継承者としてつながる、デューク氏とカリッサさん。毎日多くの人々が行き来する、ホノルル市街地の大通り、キング・ストリート沿いのビルの壁に、2人の姿は大きく描かれ、彼らの偉業を称えています。

デューク氏とカリッサさんの壁画。ワイキキから車で10分程の所にあります。 写真:Hawaii Historic Tour LLC

サーフィンがオリンピック種目となったことで、その競技の様子を、画面を通して多くの人々が見ることができるようになりました。古代からハワイアンが行ってきていた「ハワイの文化」としてのサーフィン。波を知り尽くした名手たちの技の数々を、ぜひ見てみてください!

お知らせ

デューク・カハナモク氏の誕生日である8月24日に合わせ、毎年、8月中旬に1週間かけて、ウォータースポーツの祭典「デューク・カハナモク・オーシャン・フェスティバル」がワイキキで行われます。2024年は8月17日から25日に開催。場所は、デューク・カハナモク氏の銅像前のビーチです。この頃ハワイにいらっしゃる方は、ぜひ銅像を訪れてみては?

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