ハワイ王朝最後の君主、リリウオカラニ女王は、「アロハ・オエ」をはじめ、現代のハワイローカルミュージシャン達に歌い継がれる名曲の数々を残しています。発表されている楽曲数は165曲以上と言われています。
1868年頃の作品と推定される、「心地よい優しい風」という意味のタイトル「AHE LAU MAKANI 」は、現在のマリオットワイキキホテルの辺りに建っていた女王の家「ハモハモ」で、妹のリケリケと作ったと言われています。
曲の情景は、コウラウ山脈のパロロ谷。パロロ谷に降る優しい雨のことをリリレフアと呼びますが、リリレフアの後、涼しく、優しく、吹いてくる風が、頬にあたり、心地よいと感じる様は恋人が愛をささやく息づかいにも似ているというラブソングです。ワルツな曲調が、さらにそのアリィ(貴族)なエレガントさを演出しています。
兄のカラカウア王が7代君主として即位をしたのが、1874年。そして、その3年後の1877年に世継ぎ後継者として任命されたため、にわかに彼女の身辺は騒がしくなりますが、この曲を作った頃は、ハモハモと呼ばれる彼女の家のバルコニーで、独身の妹リケリケと恋愛トークに講じる楽しい優雅な時間を過ごしていたのではないかなと思います。
写真は、コウラウ山脈の尾根に広がる住宅地区はセントルイス。この右側が五感を刺激するパロロ谷。このパロロ谷から沢山のアーティスト誕生しているのも納得です。