ハワイ島のコナコーヒーとカウコーヒー

ハワイ島はコナコーヒーの産地として有名ですが、最近ではハワイ島第２のコーヒーとしてカウコーヒーの人気も高まっています。この２種類のコーヒーの大きな違いは栽培されるエリアがマウナロアの東と西で異なっているということです。日照、気温、土壌、降水などの環境が異なるため同じ品種の豆でもコーヒーの味わいが大きく変わってきます。ハワイにお越しの際には、豊かな大自然に恵まれたハワイ島のコーヒー農園に是非訪れてみてください。

コナコーヒーは、ハワイ島西部に位置するコナ地区のマウナロア山とフアラライ山の南西側斜面で栽培収穫されたアラビカ種のコーヒーのことです。

火山灰の影響を受けているコナ地区は、肥沃な土壌にコーヒーの木に必要な栄養がすべて蓄えられています。250～800mの標高は決して高くありませんが、昼と夜の寒暖差、水はけのよさ、弱酸性の土壌、降水量などコーヒー栽培に理想的な条件が揃っています。

コナコーヒーは、上品な酸味と甘みが特徴のコーヒーです。飲んだ後に酸味や苦味が残らないフルーティな味で、口あたりがよく、甘い香りのすっきり爽やかな味わいです。ホワイトハウスの公式晩餐会ではコナコーヒーが提供されています。

(写真：ハワイ州観光局）

カウコーヒーは、雄大なマウナロア山の東側斜面のカウ地区で栽培収穫されたアラビカ種のコーヒーのことです。

カウ地区の土壌も肥沃な火山灰土壌で、赤土を豊富に含んだ肥えた土壌です。コーヒー栽培が盛んになる前はサトウキビ栽培が行われていた地域です。1894年にアラビカ種が植えられてから少しずつ栽培が広まりハワイ島内だけで販売されていたため2000年初頭までその存在が知られていませんでしたが、オバマ元大統領の推薦でホワイトハウスの晩餐会にて提供されて以降、飛躍的に知名度があがりました。

カウコーヒーはコナコーヒーほど酸味が強くなく、旨みをだす程度のやさしい酸味、マイルドな口当たりとフルーティな味わいが特徴です。

(写真：ハワイ州観光局）

ハワイ島には大小400以上のコーヒー農園があります。ハワイ島を南周りでドライブすればコナコーヒー農園とカウコーヒー農園に立ち寄ることができます。 コーヒー農園では、農園見学ツアー、焙煎体験、コーヒーテイスティング、ショップではコーヒー豆や限定アイテムを購入することもできます。ショップやカフェが併設されていれば、休憩を兼ねてゆっくりコーヒーや限定アイテム、コーヒーアイスクリームなども味わったりするのもオススメです。果樹園があるところでは、熟れた果物やスムージーが飲めることもあります。広大なコーヒー農園を巡りながら、リラックスした時間を過ごせるのもハワイ島ならではの貴重な体験です。

Greenwell Farms（グリーンウェル・ファームズ）

コナコーヒー歴史博物館の裏手に広がるコナ最大規模の農園。1850年に創業され、コナコーヒーの名を世界に広めた老舗のコーヒー農園です。毎日9:00～15:00まで45分ほどの無料のツアーが催行されています。(日本語のツアーは午前10時と午後1時に行われています）ツアーでは収穫から焙煎までの行程を分かり易く説明してもらえます。30分間隔で実施されているため事前予約の必要がなく、立ち寄ったら次のツアー開始時間まで園内のショップでは試飲しながら待つことができます。コーヒーの花が咲くのは1月～6月頃まで。収穫は8月～9月に行われます。
ウェブサイト：https://www.greenwellfarms.com/
（写真提供：Greenwell Farms)

UCC Hawaii Kona Coffee Estate（UCCハワイコナコーヒー直営農園）

「カップから農園まで」をコンセプトに掲げるUCCグループは、1989年にハワイ島コナ地区フアラライ山の裾野に直営農園を開設しました。総面積約14ヘクタール（東京ドームの面積の約3倍）の中に、およそ1万5千本ものコーヒーの木が植樹されています。農園開発は苦労がありましたが、近代的灌漑設備を備えた農園に改良し、1993年にはハワイ州政府機関によって「ハワイ島西地区最優秀農園」として表彰されました。ＵＣＣハワイ直営農園のキオスクには、コナコーヒーの他、オリジナルのチョコレートスナックやコーヒーの麻を使ったオリジナルバッグなどのグッズも取り揃えています。農場見学ツアー、焙煎体験ツアー、8～11月頃までの季節限定でコーヒーの赤い果実を手摘みで収穫、洗浄、精製まで学ぶ収穫体験ツアーがあります。もちろん、試飲も可能です。
ウェブサイト：https://www.ucc-hawaii.com/ja/
(写真提供：UCC Hawaii Kona Coffee Estate)

Kona Coffee Cultural Festival（コナ・コーヒー・カルチャー・フェスティバル）

ハワイでもっとも歴史ある収穫祭は毎年11月にカイルア・コナで開催されるコナ・コーヒー・カルチャー・フェスティバル。コーヒー農園ツアー、豆の早摘みコンテスト、ランタンパレード、ハーフマラソン、レシピコンテスト、テイスティング、カルチャーワークショップなど、子供から大人まで楽しめる数々のイベントが楽しめます。2021年は11月4日（木)～11月7日（日）まで開催される予定となっています。
ウェブサイト：https://konacoffeefest.com/
(写真提供：Kona Coffee Cultural Festival)

Ka'u Coffee Festival（カウコーヒー・フェスティバル）

毎年4月に開催されていて近年注目されているカウコーヒーのフェスティバル。カウ地区のパハラ・コミュニティ・センターを中心に、屋内外で数々のコーヒー農園が出店していて様々なコーヒーの試飲が楽しめます。カウコーヒー農園ツアー、コーヒーのレシピコンテスト、フラやライブエンターテイメントなどカウコーヒーに関する様々な催しで盛り上がります。2020年は12月にバーチャルで開催されました。（2021年の開催は未定）プナルウ黒砂海岸の近くなので黒砂海岸にも立ち寄ることもできます。
ウェブサイト：https://www.kaucoffeefestival.com/
(写真提供：Ka'u Coffee Festival)

ハワイ島ではコナコーヒー・カウコーヒーだけでなく、北東にある町ヒロの郊外で生産されるヒロコーヒーも存在します。ハワイ島にお越しの際にはコーヒー農園巡りや、コーヒーフェスティバルに参加してみるなど、コーヒーに関連する様々なアクティビティに参加されてみてはいかがでしょうか？