ハエナ州立公園は、カウアイ島北岸のクヒオ・ハイウェイの北西端に位置します。公園には復元されたロイカロ(タロイモ畑)があり、壮大なナ・パリ・コースト州立自然公園の景色を眺めることもでき、ケエビーチでは岸釣りや海水浴、そして世界的に有名なカララウ・トレイルやハナカピアイ滝トレイルの登山口があり、連日多くの観光客が訪れている人気観光地です。しかし、道路脇に無断駐車される多くのレンタカーや交通渋滞などの問題は深刻で、地域住民は1980年代から抗議活動を行なっていました。
ハエナ地区にあるリマフリ・ガーデンでは、ハワイ先住民の共同生活を営んでいた土地区画を指すハワイ語でアフプアアと呼ばれる生活様式の復元に取り組んでいます。アフプアアは、山頂から海辺までの資源を平等に分配して暮らしを管理したエコシステムでもあり、ハワイ先住民の生活や理念を知る上で重要な概念のひとつです。
2018年、カウアイ島北岸は壊滅的な洪水の被害を受け、ハエナ州立公園とナパリ・コースト州立原生自然公園は2019年6月まで閉鎖されていました。この間、州立公園局は地域住民への数十年にわたる影響を考慮し、公園管理の見直しに取り組んでいました。新たな公園管理戦略の実施を通じて、より自然資源の保全、より良い現場管理、旅行者の体験の質を高めることに成功しました。1998年に設立された地域の非営利団体「フイ・マカアイナナ・オ・マカナ」がハエナ州立公園の予約システムの管理・監督と文化的景観の管理を任されることになりました。ハワイ州土地・天然資源委員会(BLNR)から承認されたのは1年間の期限付き管理許可ではありますが、地域NPOの活動を通して、ハエナ州立公園の保護と管理に全面的に参加しようとする地域住民の努力が実りました。