ハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)は、カウアイ島、マウイ・ヌイ(マウイ島、モロカイ島、ラナイ島)、オアフ島、ハワイ島の各郡および各島の観光局と協力し、2021年から2023年までの3年間で観光産業の安定化、パンデミックからの回復、そして各島が望む観光産業への再構築のための地域密着型のデスティネーション・マネジメント・アクションプラン(DMAP)を作成し、観光の再建、再定義、方向性の再設定を目指します。
2019年、ハワイ諸島への訪問者数は過去最高の1038万人に達しました。結果的に177億5000万ドルの経済効果をもたらし、20億7000万ドルの税収入、21万6000人の雇用を支え、観光業はハワイ州国内総生産(GDP)の16.2%を占め、不動産およびレンタル・リースの18.8%に次ぐ2番目で、ハワイにとっても重要な産業です。一方、訪問者数の増加は、一部の観光地や地域社会の環境に負荷を与えました。HTAは、住民の意識は健全な観光産業を維持するために重要と考え、毎年観光業に対する住民意識調査を実施し、観光産業が住民に与える好影響と悪影響を明らかにしています。2019年の意識調査報告書によると、住民の意識は前年と比較して概して低下していることが示されました。このような状況は、ハワイに限ったことではなく、イタリアのベニス、ペルーのマチュピチュ、日本の京都など、他の人気観光地でも観光による悪影響が指摘されており、それは住民の生活の質だけでなく、訪問者の旅行体験の質にも影響を与えます。
DMAPは、各島の運営委員会の指揮のもと、地域社会、観光産業、その他の企業団体の参加によって、レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)、人口過密な観光名所、交通負荷、その他の観光関連問題の解決策の提唱、自然・文化資産の保全などについて意見を反映し、住民の生活の質を向上させ、訪問者の体験を改善するために必要な分野や実行可能な解決策を明らかにするものです。活動内容は、HTAの戦略プランの4つの柱(自然資源、文化継承、地域社会、ブランドマーケティング)と相互に関連づけられ、整合性を確保し、組織的な目的を達成するために実施されます。HTAは、地域主導型の観光プログラムにおいて、地域社会、観光産業、その他企業団体がハワイの観光産業をより良い発展のために必要な取り組みを支援していきます。