ハワイは今、2019年比で90%近くまで観光業が復活していますが、主な理由は米国からの旅行者が2019年比で13%増、消費額8%増という状況で、国際マーケットのマイナス分をカバーしています。国際マーケット最大市場の日本からの旅行者は、日本政府による海外旅行規制が緩和されたものの2019年比10%という状況にあり、海外旅行へ意識が向いていないことがわかります。そのような中でも各航空会社の協力により夏には3万席、50周年を迎えるホノルルマラソンが開催される冬には8万席の航空座席が供給される予定です。
ハワイの観光統計データ
https://www.allhawaii.jp/business/article/media/report/
ハワイ州観光局は現在、(1)自然資源、(2)伝統文化、(3)地域社会、(4)ブランドマーケティングの4つが相互作用する「柱」を中心に観光戦略を策定し活動しています。主要業績評価指標(KPI)はこれまでの訪問者数や航空座席数ではなく、「住民の満足度」、「旅行者の満足度」、「1日の旅行者の平均消費額」、「総旅行者消費額」となり、レスポンシブルツーリズム、およびリジェネラティブツーリズムを推進しています。また、各郡の観光局および政府が地域社会と共に立案した観光再開に向けた活動計画、DMAP(Destination Management Action Plans)と連動した活動も展開しています。
ハワイ観光戦略プラン2020-2025
https://www.allhawaii.jp/business/article/media/555/
各島のDMAP
https://www.allhawaii.jp/business/article/media/580/
DMAP事例:
– 地元で進んでいることを旅行者にも知っていただくための空港サイネージを展開
– コミュニティと一緒に作った「ラナイ ガイド アプリ」で地域の楽しみ方や注意事項を共有
– モロカイ島とラナイ島ではコミュニティの観光産業への関わりを強化
– ハワイ島ではホットスポット(人気観光地)を守るための改善・監視システムをコミュニティと推進
– 地元のスモールビジネスを支援しプロダクトの多様性と魅力を高めるメイドインハワイのプログラムを支援
– 州立公園、自然保護区などのホットスポットに事前予約システムを導入(ハワイ州立公園も駐車場も有料化)
– 宿泊施設でもハワイの州民やNPOと組んで宿泊者が参画できる様々な新しいプログラムを用意
– 多くのホテルにカルチャーアドバイザーが在籍し、本質的なハワイアンカルチャーの体験機会を宿泊者に提供
ハワイ最新事情:
– コロナ禍にゴルフ人口が増えたハワイ。各島で素晴らしいコースが楽しめるデスティネーションとしてゴルフプロモーションを強化していきます。
– 今ハワイではグルメの進化が止まりません。特にワイキキやチャイナタウンは再開発も進み続々と新しいレストランがオープンしています。カクテルバー、タパス、カリスマシェフによる新しいお店など選ぶのが難しいくらいです。
– アート&ファッション業界においてもサステナブルな取り組みが注目されています。また地元のアーティストやカリフォルニアから移住してきたアーティストが立ち上げた新しいブランドは世界のファッションショーにも出演するなど世界に活躍の場を広げています。
– 地元アーティストによるプロダクトが販売されるポップアップマーケット、ナイトマーケット、ファーマーズマーケットが各地で開催されている他、毎年の恒例イベントはほぼ再開しています。