Action A
宿泊施設の数を管理し、土地利用や区分け(区画整理)、空港政策の変更を検討することで、オアフ島への訪問者の総数を管理可能な水準にする
A.1 現行の法規制の強化をし、違法な短期バケーションレンタルの数を減らす。新しい規則を施行するホノルル市郡を支援する。
A.2 特にリゾートエリア外での短期バケーションレンタルの拡大を制限するための追加規制について、地域社会や関係機関が協力できるためのリソースを提供する。
A.3 次のような供給制限を調査(の方法を研究)するために資源を投入する。
・新規建築許可や承認を規制し、宿泊施設開発を管理する。
・観光インフラに影響を与える土地利用、土地区分、空港政策などの変更を検討し、最終的にオアフ島への訪問者数を決定する。
Action B
訪問者へハワイ到着前と到着後のコミュニケーションプログラムを実施し、ハワイ州の観光指針にそった行動を奨励する
B.1 訪問者がオアフ島に到着する前に適切なメッセージと滞在中の連絡先を確認する。
B.2 観光産業従事者(ホテル、ツアーガイドなど)に向けてのハワイの文化教育およびトレーニングプログラム('Ōlelo Hawai'i (ハワイ語)を含む)を実施する。
B.3 訪問者や住民に向けてハワイの史跡や地域、またそれらに関連するポノ(正しい行動)を実践してもらうためのコミュニケーションプログラムを開発する。
B.4 goHawaiiアプリでリアルタイム情報、交通情報(通行止め等)、イベント、ローカルマナー、自然保全、立入禁止区域等の情報提供を拡充する。
B.5 goHawaiiアプリにジオフェンシング機能を追加し、人が密集しているスポットに近づいた際に通知を行い、他のエリアに誘導したり、事前予約システムを導入する施策を行う。
B.6 旅行者にgoHawaiiアプリの利用を促進し、安全な旅行を促すとともに訪問可能な場所と控える場所の理解を促進する。
B.7 訪問者の質問に回答するAIの導入や、スマートフォンでの動画や写真の共有など、簡単に情報へアクセスができる手段を提供する。
Action C
オアフ島の主要なホットスポットの場所を特定し、管理プランを実施する
C.1 事業主と協力し、自然・文化資源へ影響がある場所を特定する。以下のような場所を優先特定地域とする。
(1)地域社会、および/または近隣地域が、訪問者に対して課題を抱えている。
(2)訪問者に対して住民が対立した姿勢がある。
(3)住民が利用する権利が損なわれていたり、ハワイ文化の保護が必要である。
C.2 地域社会と協力し、望ましい環境や受け入れられる訪問者数を把握する。その環境を達成・維持するための管理計画を立ててホットスポットと呼ばれる人気観光地の健全性を確保し負荷を減らす。
C.3 観光地の管理・保全の方法について、政府と地域社会の協業を支援するプロセスを開発する。いくつかのホットスポットに同じような課題がある場合、共同または試験的なプログラムで対応できるようにする。
C.4 地域の閉鎖や交通手段の管理など、資源を管理・運営する地域主導の取り組みの機会を増やす。
C.5 ホットスポットをより適切に管理するために、ハワイ州土地・天然資源局(DLNR)、市郡計画許可局、市郡公園レクリエーション局への資金と資源の増加を提唱する。
C.6 使用料またはハイキング許可証が特定のホットスポットや影響を受けた地域の支援・管理に使用されていることを調査する。金額の正当性、また使用料がその場所や地域に還元されているか、維持・管理に利用されているかを調査する。使用料金システムが機能しているか評価する。
C.7 ハイカーにハイキング許可証の申請・取得を義務付けるプロセスを検討する。料金は捜索・救助費用にも充当する。このプロセスには、ハイキング中の安全とマナーに関する教育が含まれる。
Action D
観光地やトレイルなどの保全管理を強化する
D.1 ホットスポットや人気のある観光地で駐車規則遵守の向上策を検討する。違法な行為(ビーチやトレイルで訪問者を下車させるなど)を行うツアーバンやバスの取り締まりを行う。
D.2 ダニエル・K・イノウエ国際空港とトレイルにおけるバイオセキュリティの強化
・道具(ギア)を洗うためのサニテーション(消毒)プロトコルを促進する。
・ハイキング・トレイル器具の使用後のクリーニングや、外来種を持ち込まない心得など、責任ある訪問者の行動を奨励する。
Action E
自然や文化的な場所の利用者をモニターおよび管理するための予約システムの開発
E.1 人気のある場所やホットスポットでの予約システムや需給連動型料金の設定を検討する。
E.2 持続可能な観光施策である訪問者数を管理するハナウマ湾とダイヤモンドヘッドの予約システムを検証し、島の他のホットスポットへのシステム拡大を提言する。
E.3 余剰需要を他のスポットやアトラクションに振り分けることができる州全体の予約システムを試験的に導入する。
Action F
「リジェネラティブツーリズム料金(Regenerative Tourism Fee)」を設定し、ハワイの資源の再生利用、天然資源の確保など資金不足のプログラムを積極的に支援する
F.1 リジェネラティブツーリズム料金を徴収する方法を決定し(料金設定権限を州は市郡に委託)、回収した資金の分配、および責任の所在を検討する。この資金は、管理システム、影響を受ける地域社会、および自然環境保全(外来種の除去、池の修復、サンゴの育成、在来生態系の修復など)の業務に携わる人材育成の支援に使用される。
F.2 観光業界に対してこの資金の必要性を明確に伝え、この業界が今後のハワイの持続可能なデスティネーションであるために貢献していく意義について理解を求める。
F.3 旅行者や訪問者に、ハワイを守ることがハワイでの滞在をより良いものにしていくことを伝え、充実させるために資金がどのように使われるかを伝えていく。
Action G
ハワイの自然環境や文化、ローカルコミュニティ(地域社会)を尊重し、ポジティブな(良い)影響を与える旅行者を惹きつけるためのマーケティングプログラムを開発・実施する
G.1 ハワイ特有の文化や自然環境について学ぶことに興味のあるターゲットセグメント層に対しての、マーケティングメッセージの開発を推進する。
G.2 消費額の高い旅行者(例:会議、コンベンション、インセンティブ、結婚式、ビジネス旅行者、医療観光、LGBTQ、芸術・文化など)を誘致するための計画を引き続き策定する。
G.3 サーフィンやビーチだけではない、オアフ島の魅力をマーケティングしていく。 島の価値観を盛り込み、環境保全や文化継承を優先して、島に適切な訪問者を惹きつけるマーケティング施策を行う。
G.4 訪問者が深い体験を通じてオアフ島とのつながりを強め、訪れた地域に貢献することが彼らの人生を豊かにする旅になるようなマーケティングキャンペーンを行っていく。
G.5 訪問者を繁忙期から閑散期に誘導できるようなキャンペーンを継続して展開する。
G.6 真のハワイの啓発のために、プロモーション内容を意識して変えていく。
現在のハワイのブランドガイドラインをさらに充実させ、観光業界関係者も活用できる施策を行なっていく。
G.7 経済効果だけでなくマーケティング効果を測定するための指標開発とデータ収集をする(例:アロハプラスチャレンジの指標、地域住民による観光に対しての満足度、訪問者のボランティアツーリズムへの参加、地元産物の購入増加など)。
Action H
地元産の商品やサービスの購入を促進する「バイ・ローカル」プログラムの開発と活動を継続し、地域社会に還元するだけでなく、二酸化炭素排出量を最小限に抑える活動を行う
H.1 ハワイ観光業界関係者に、メイドインハワイや環境に配慮した製品、サービスやテクノロジー(例:クラフト、音楽、楽器演奏、映像、生鮮食品、加工品、ソフトウェア)などを率先して購入するよう推奨する。
H.2 ホテル、レストラン、小売店と連携し、メイドインハワイの特集やプロモーションを行う。
H.3 地産地消を支援するプログラムを継続的に支援する。 様々な認証プログラムと連携し、一貫したプロモーションを展開する。
H.4 地元のクラフトやファッション、音楽、パフォーマンスやアート作品など、オアフ島のアーティストの活動を支援する。
Action I
オアフ島での移動手段として訪問者の自動車利用を管理する
I.1 オアフ都市計画機構と協力し、影響を受ける地域社会における訪問者の移動に起因する問題を調査する。居住区への影響を軽減するためのインフラ整備や、訪問者や観光従事者による規則違反を防ぐための罰則規定を設けるなど、これらの問題を軽減する方法を検討する。
I.2 安全性、快適性、信頼性、ならびに効率的な民間および公共交通手段を提供し、訪問者がレンタカーからより環境的かつ持続可能な交通手段へ移行するよう、オアフ都市計画機構の取り組み(自転車専用道の導入、自転車利用促進の整備・支援、支持を含む)を支援する。
I.3 歩行者優先エリアの設置を検討する。
I.4 レンタカーを軽減するため駐車場から敷地内へのシャトルバス運行や駐車場予約システムの導入を検討する。
Action J
パートナーと協力して、住民と訪問者の双方により豊かな体験を開発、奨励、支援する
J.1 住宅地から離れた人気のハイキングコースを整備したり、新しいアクティビティを開発することによって、訪問者や住民が楽しめる場所を増やす。改善点には、遊歩道の増加、駐車場の整備、標識の設置などが含まれる。
J.2 人が密集する観光地から代案となるそのほかの観光地へ選択肢を提供できるよう資金を投入していく。居住区を避けて、より多く訪問者を受け入れられる場所へ誘導する。これらの場所の標識や情報発信を強化し、プログラムや教育機会を増やし、展示物を開発する。
J.3 訪問者や住民の利用が多い場所の負担を軽減するために、住民のための新たなレクリエーションの機会を開発する。
J.4 訪問者を大人数で収容できる観光地やアトラクションへ誘導するための「city pass」プログラムを策定する。
J.5 特定の場所では住民が週末に優先して利用できる"Kama‘āina Days(住民の日)"を設けることを検討する。