4年に1度開催される太平洋諸島の芸術と文化交流を祝う祭典『第13回フェスティバル・オブ・パシフィック・アート&カルチャー(以下、FestPAC)』が2024年6月6日から16日までハワイで初開催されます。28カ国からアーティスト、文化人、学者、関係者ら2500人以上の代表団がオアフ島に集結し、島中の様々な会場で10日間にわたり文化交流、芸術鑑賞、祝典などが繰り広げられます。
FestPACは2016年にグアムで開催され、次の開催地にハワイが決まっていましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により延期され、8年ぶりの開催となります。FestPACの主要テーマは伝統的な歌と踊りで、2024年のテーマは「Ho'oulu Lāhui: Regenerating Oceania(再生するオセアニア)」です。未来に向けて継承していく伝統に敬意を表しています。Hoʻoulu lāhuiとは、国を再生させるという意味があり、海面上昇、気候変動、持続可能性、サンゴ礁の死滅、社会的不平等の拡大など、太平洋地域が直面する多くの緊急課題を提起し、未来への道を切り拓くきっかけとなるでしょう。
10日間のFestPACでは、会議やシンポジウム、ライブパフォーマンス、カルチャーワークショップ、体験型デモンストレーション、映画、ストーリーテリングなど50以上のプログラムやイベントが開催されます。FestPACのミッションは、つながりを育み、文化と慣習を共有し、学び、成長し、気候変動に適応することで、文化的なレジリエンスを強化することにあります。
• 太平洋の伝統芸術や文化の保存と復興
• 太平洋のニーズに適した新しい文化活動の探求
• 太平洋の文化的豊かさを世界中に広める
• 卓越した芸術を促進するために太平洋全体の統一感を醸成
• 民族(先住民)言語の発展と使用の促進
第13回FestPACは、以下の6つの要素を軸に実施されます。
(1) ナ・ハナナ・クウヘル(式典と儀式):フェスティバルのアイデンティティに不可欠な特別イベントには、オープニングとクロージングセレモニー、歓迎式、民族的儀式などが含まれます。
(2) アハ・モアナヌイアケア(シンポジウム):太平洋の感性と祖先伝来の知識を新しい技術と結びつける革新的な思考と実践のための包括的な拠点。
(3) ホオイケイケ(舞台芸術):太平洋の人々の音楽、舞踊、演劇、その他の形式を通じて、太平洋の遺産の多様性と躍動感を紹介する。
(4) ホオイケキイ(ビジュアルアート):先住民アーティストや文化実践者による様々なビジュアルアートの展示。
(5) ナハナノエアウ(ヘリテージアート):彫刻、織物、ジュエリー、タタウ、布や紙の製作、ファッション、陶器などのデモンストレーションと展示。
(6) メアアイ(料理アート):食材の栽培から収穫、下準備、調理、そして料理や食事の盛り付けに至るまで、食材消費の全過程を紹介する。