ポロル渓谷は、ハワイ島ノース・コハラにある雄大で歴史的な地域です。近年、ポロル展望台やトレイル、海岸線を訪れる観光客が急増しており、地域社会や自然・文化資源への影響を軽減 する必要性が高まっています。
コミュニティからの要望に応え、ハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)は、環境保全の非営利団体「クプ(KUPU)」、ナー・アラ・ヘレ・トレイル・アンド・アクセス・プログラム(Na Ala Hele Trails and Access Program)、ポロルに先祖代々住んでいるコミュニティ、マカニカヒオ(Makanikahio)と隣接するアフプアア(ahupuaa)と協力した実証実験プロジェクト「ポロル・トレイル・スチュワード・プログラム」に資金を提供します。その目的は、地元の "管理人=スチュワード" を活用し、この地域の自然や文化史の案内役として、迷惑行為を軽減し、訪問者の安全を確保することにあります。地域社会と協力しながらハワイの自然や文化資源への観光の影響を管理するためのモデルケースとなることを関係者は期待しています。
ハワイ州土地天然資源局(DLNR)が管轄するナー・アラ・ヘレ・トレイル・アンド・アクセス・プログラムは、KUPUを通じてこの実証実験プロジェクトのために4人の非常勤管理人を雇用する予定で、2021年8月から2022年1月31日までの期間、管理人は来訪者の管理、安全管理、トレイルのメンテナンスをサポートし、来訪者にポロル渓谷の知識を共有します。
ポロル渓谷は、HTAのハワイ島デスティネーション・マネジメント・アクション・プラン(DMAP)の一環として、コミュニティメンバーと利害関係者が特定したホットスポット(局所的に混雑する場所)のひとつです。DMAPのアクションAによって、文化的に重要な場所やホットスポットを保護・保全することを求めています。
KUPU(クプ)について
ホノルルを拠点とする501(c)3非営利団体として2007年に設立されたクプは、より持続可能なハワイを実現するため、次世代の若者に力を与えています。文化や環境の管理者となるべく、若者を教育・指導する実践的なトレーニングや全国的なサービスプログラムを提供しています。クプはこれまで4,500人以上の若者に自然保護、持続可能性、環境教育のトレーニングを行ってきました。若者はクプのパートナーと協力して300万時間以上の活動を行い、100万本以上の在来植物を植樹し、10万エーカー以上の外来種を除去することに貢献してきました。それ対して、クプは約700万ドルの教育賞を授与し、彼らの継続的な成長を支援しています。現在までに、クプはハワイ州に1億5000万ドル以上の経済的効果をもたらしています。
*2021年9月9日、ハワイ州ホノルルでハワイ・ツーリズム・オーソリティが発表したニュースリリースの翻訳です。原文(英語)はこちらからご参照ください。
https://www.hawaiitourismauthority.org/news/news-releases/2021/hawaii-tourism-authority-supports-program-to-mitigate-visitor-impacts-at-pololu-valley-on-hawaii-island/