ハワイは、太平洋の中心に位置し、東西の架け橋であり、自然学習、平和学習、英語学習といった教育素材に恵まれたデスティネーションです。また多様な文化で構成され、日系移民といった歴史的にも日本と繋がりがあり、文化交流、国際交流の場としても最適であり、学びの宝庫です。
ハワイ州観光局は、学校、教育機関、旅行会社の皆さまと連携を図り、幅広い学習の場を提供させていただいております。しかしながら、近年の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、海外研修、修学旅行の中止が余儀なくされています。
国際看護専門学校でのハワイオンライン研修
2021.04.01学びの宝庫ハワイ
修学旅行・海外研修の統計データ
全国修学旅行研究協会が発行する「2019年度 全国公私立高等学校 海外修学旅行・海外研修(修学旅行外)実施状況調査」の報告書(2021年1月)によると、高校の海外修学旅行は、国際理解教育が学校で進められ、実施校数、参加生徒数とも3年連続で増加傾向にありました。2019年度は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、前年度よりも64校、1万3346人減少し、898校、15万5535人となりました。しかしながら、私立校の実施時期のピークは秋季(10~12月)と3月であることから、秋の修学旅行を2-3月に延期したという学校も多かった中、2021年1-3月まで緊急事態宣言と重なり、延期にしていた学校が中止とする学校も多く、2020年度には更なる減少が予測されます。
また、実施された修学旅行においても近場への変更、VR旅行、花火大会、チャーター遊覧飛行、渡航予定だった場所へのオンライン訪問への切替とニューノーマルでの修学旅行の形式が問われる時代となりました。
イムス横浜国際看護専門学校でのハワイオンライン研修
イムス横浜国際看護専門学校は、2020年よりハワイでの海外研修を開始し、国際的な人材育成を目標に掲げた教育課程の中で、海外研修にて現地の医療スタッフ、看護学生等と交流を深め、グローバルな視野を広げることを目的に、同校2年生がハワイ研修もしくはベトナム研修のいずれかを選択されていました。しかしながら、同校でも海外研修をあきらめ、オンラインを活用し、日本にいながら、ハワイでのバーチャル海外研修を2021年2月24日(水)に行いました。この取り組みは、学生の皆さまへニューノーマルの海外研修、修学旅行を提供するヒント、きっかけとして、他の教育機関にも参考となる内容です。
そして、株式会社トラベルパートナーズの企画運営のもと、ハワイ州観光局ならびに株式会社ZIPAIR Tokyo の協力のもと、ハワイ・オンライン研修を開催しました。
写真:オンライン研修冒頭で、ハワイ州観光局営業部長寺本が挨拶させていただいた様子
オンライン研修のはじまりは・・・・・
オンライン研修は、ジップエアの客室乗務員2名による「アロハ」の挨拶からはじまりました。
そして、空港、機内と見立てた同校の教室で、オンラインでのチェックイン手続き、搭乗を行いました。
ジップエア詳細はhttps://www.zipairtokyo.com/
オンラインでチェックイン、搭乗
いよいよ、ハワイに向けて出発
そして、機内では、
「イムス横浜国際看護専門学校の皆様、本日はジップエアをご利用くださいましてありがとうございます。携帯電話は機内モードに設定してください。緊急時は携帯電話や電子機器はシートポケットの中にお入れください。座席はすべて指定されています。」
といった、本物さながらのアナウンスが流れました。まるで、教室は機内と一瞬錯覚してしまうこともありながら、出発に向けた準備となりました。
「この飛行機はまもなく離陸いたします。シートベルトはお締めでしょうか。また座席の背もたれ、テーブルをもとの位置までお戻しでしょうか。もう一度お確かめください。」
スクリーンには、機内からジップエアの機体が投影され、離陸の時を待ちました。
機内では、機内食のご紹介もありながら、最速で、約2分間でのホノルルまでの飛行となりました。
ダニエル・K・イノウエ国際空港に着陸
いよいよホノルルへ到着といった際には、スクリーンには、機内から見るハワイの景色が上空から映し出され、期待感が高まりました。
そして機内アナウンスでは、「皆様、ただいま、ダニエル・K・イノウエ国際空港に着陸いたしました。ただいまの時刻は、2月24日午前9時50分、気温は、ただいま27度でございます。シートベルト着用のサインが消えるまでシートベルトはそのままお締めください。上の棚をお開けになる際には手荷物が滑りでることがありますので、十分ご注意ください。
ただいまから、携帯電話を含むすべての電子機器をご利用いただけます。なお他のお客様のご迷惑になりますので通話はお控えください。またお降りの際には、お忘れ物をなさいませんようお座席周りを今一度お確かめください。本日はジップエアをご利用頂き誠にありがとうございました。機長松村、ならびに乗務員一同またの日のご搭乗をお待ちいたしております。最終目的地、ご滞在先まで気つけていってらっしゃいませ。」
と、機内となった教室で、客室乗務員からのライブで、アナウンスが入りました。
ハワイ到着
ハワイ到着後、教室のスクリーンには、ハワイ州観光局が所有するハワイの映像が映し出され、陽気な音楽とともに、ハワイ気分を妄想で感じて頂きました。
その後、客室乗務員と学生との異業種交流を行いました。
機内でお客様の安全を第一にするというのは医療の現場でも同じであり、「機内で具合が悪くなった方がいらっしゃった場合の対応方法」などについて質問があがり、機内では酔いやすい環境にあることから、飲酒され酔われた方の事例をもとに、対応方法、客室乗務員からアドバイスいただきました。
ハワイ大学の学生と交流
オアフ島に到着された学生の皆様は、グループに分かれて、ハワイ大学学生と交流を行いました。現地の学生と、英語を使いながら、自己紹介からはじまり、現地の様子などを質問されました。
ハワイスペシャリスト検定の受検
ハワイの歴史、文化を学ぶ一貫としてハワイ州観光局公式ラーニングサイトアロハプログラムのハワイスペシャリスト検定(初級)を受検し、全員合格を目指しました!すでに初級を取得されている学生の方もいらっしゃいました!
アロハプログラムとは、ハワイ州観光局が2012年12月に開設したラーニングサイトです。「ハワイを知る、学ぶ、繋ぐ」をコンセプトにハワイに精通した専門家が監修するウェブセミナーやオンライン講座からハワイの文化、歴史、自然などを楽しく学べるプログラムです。学んだハワイの知識力を試せるユース、初級、中級、上級までの「ハワイスペシャリスト検定」がある他、メンバー限定のイベントやセミナー、ワークショップ、ハワイ現地でのツアー催行、メンバー同士の交流会などハワイを学び続けるためのメンバー特典を用意しています。中級と上級検定料の一部はハワイ現地の自然や文化継承のために活動しているNPO団体へ寄付し、メンバーとNPOを繋ぐことでハワイに貢献できる仕組みを設けています。
ハワイ州観光局公式ラーニングサイトアロハプログラム
ランチもハワイ気分
ランチは、ハワイで人気のロコモコと、レナーズのマラサダでした!
学生の皆様は、ハワイ気分でお食事されてました。
ハワイ大学での看護講義
ランチの後は、ハワイ大学での看護、医療の90分講義でした。
これまでの研修では、成田空港からハワイへの出発気分、ハワイ大学の学生との交流、ハワイスペシャリスト検定、ランチと楽しい時間でしたが、ここからは学生の皆様の専門分野の講義を受けられました。
グループワークでは、チームで話し合いながら、先生からの質問に回答されました。
講義は、ハワイ大学看護学部シュミレーションセンターのマリ・ノウィッキー先生がハワイ大学マノア校からオンラインを通じて、アメリカの看護教育、海外医療ボランティア、災害トリアージについて講義いただきました。
この講義を通して、
①アメリカと日本の看護教育システム、内容を比較し違いを説明できる
②シュミレーション教育が学校と臨床現場の橋渡しとして、どのように使われているかを画面を通して、トライ・経験をしてみる
といった目標をもとに、学生の皆様は取り組まれました。
イオラニ宮殿のバーチャルツアー
ハワイ大学の講義の後は、ハワイ王朝第7 代目、カラカウア王が1882年に建てたホノルルにある当時のモダン・テクノロジーを駆使したハワイ王朝栄華の象徴である公邸「イオラニ宮殿」をバーチャルで訪問しました。
オンラインツアーは、2013年よりイオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアとして活躍されている藤原 小百合 アンさんがガイドを務め、イオラニ宮殿の3D映像を見ながら、館内をめぐるバーチャルツアーを行いました。
宮殿は、ヨーロッパの建築様式で作られ、水洗トイレ、水と湯の出るシャワー、電話、ハワイでは初めて、またホワイトハウスよりいち早く、電灯が備え付けられたといった説明をはじめ、宮殿1階の大広間、青の間、正餐の間、王座の間、また、大きなコア製の階段が広がり、2階のカラカウア王の寝室、王の執務室、音楽部屋、幽閉の間、カピオラニ女王の寝室を紹介いただきました。
1.5日間にわたるハワイオンライン研修
朝9時半からはじまった、オンライン研修初日は、休憩をはさみながら、15時まで、ハワイ路線の客室乗務員との交流、ハワイ大学学生とのオンライン交流、オンライン授業、イオラニ宮殿のバーチャルツアーと盛りだくさんの研修を行いました。そして、翌日には、戦艦ミズーリのバーチャルツアーにも参加され、1.5日間のハワイオンライン研修は幕を閉じました。
イムス横浜国際看護専門学校は、オンラインでの海外研修を実施することで、現2年生へこれまでの2年生へ提供できていた国際交流の機会をニューノーマルの形式ではあるものの、国際交流の機会をつくってあげたいという想いで、今回、株式会社トラベル・パートナーズ(https://travelpartners.co.jp/) に相談され、弊局も協力させていただき、実現しました。
今回のオンラインによる海外研修の開催を他校にも広めることで、海外研修をあきらめた教育機関がオンライン海外研修の機会を検討するきっかけとなることをイムス横浜国際看護専門学校はじめハワイ州観光局は願っております。
写真:イムス横浜国際看護専門学校 学校長 松原 一宣氏による、研修初日に英語でのスピーチの様子