ハワイで学べる学習素材：産業学習

観光地としての印象が強いハワイですが、観光業だけでなく、さまざまな産業もハワイの経済を支えています。肥沃な土壌を活かした農業や水産業などの第一次産業のほか、ハワイ州政府は昨今、最先端のクリーンエネルギー分野などにも力を入れており、ハワイは先端産業の集積地として注目を集めています。様々な産業について認識を深めることで、ハワイをより多角的に知ることが可能となることでしょう。

希少種として世界的にも有名なコナ・コーヒーをはじめ、ハワイでは農業が盛ん。特に自然を大切にする文化が根づいているため、環境保全に深く関わるオーガニック農業や地産地消の考えが広く浸透しています。ある一定の基準を満たしたハワイ産農産品を認定するハワイ州農務局の「シールズ・オブ・クオリティ」はその一例。視察可能な農園も多く、収穫したての野菜やフルーツが並ぶ「ファーマーズ・マーケット」も身近にハワイの農業や生活に触れられる機会として人気を集めています。

ハワイでは、古代から独自の方法で養殖が行われ、特にハワイ島では盛んでした。今でも魚を飼育する養殖池が見られるほか、養分豊かな海洋深層水を使った魚やアワビ、ロブスターやカキなどの養殖も行われ、ハワイの水産業を支えています。コナ沖で汲み上げられる海洋深層水は、豊富なミネラルを含む飲料水として高い評価を得ています。

世界レベルで取り組みが進んでいる再生可能エネルギー。ハワイはその「実験場」として注目を集めています。ハワイ州政府は、2045年までに消費電力の100％を再生可能エネルギーでまかなうと州法で定め、再生可能エネルギーの導入、普及へ向けて積極的です。さらにマウイ島では、安定した電力供給を目指す日米共同のスマートグリッドの実証事業がスタート。ハワイでは、そんな先端産業の現場を視察、学習することが可能なのです。

医療ハワイは、医療分野の面においても世界レベルの先進的な取り組みが進んでいます。例えば、日本の大学の医学部の多くは、ハワイ大学のプログラムをモデルにカリキュラムを組むほど、ハワイの医療環境は良いお手本となっています。医療系の学生などを対象とした病院視察を受け入れるプログラムが豊富に揃っているので、最新の医療現場を体験することができます。

さまざまな先端テクノロジーの集積地としても注目を集めるハワイ。バイオテクノロジー、宇宙工学、データテクノロジー、ロボティクスなど、実に広範囲にわたる研究開発（R&D）への投資が活発に行われています。各種視察プログラムなどのアレンジも可能で、先端テクノロジーの最前線に触れることができるチャンスです。

ハワイがアメリカ合衆国50番目の州になった1959年以降、それまでの主要産業であった農業に代わり、観光業が急速に成長していきました。1954年の日本航空のハワイ就航、1964年の日本の海外旅行自由化、1970年にはジャンボ機運航開始を契機に、日本人観光客が爆発的に増加。現在、ホテルを始めとする観光業は成熟した産業としてハワイの経済を支えています。

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