ハワイ州観光局 日本支局(所在地:東京都千代田区 局長:ミツエ・ヴァーレイ)は、ハワイ旅行の本格的な回復に向けて、日本の旅行業界の関係者を招待したトラベルトレードショー「ジャパンサミット」を2023年4月21日(現地時間)から3日間にわたりホノルル市で開催しました。今年は日本の旅行業界から82名と、ハワイ側の観光関連パートナーと合わせて約300名が参加しました。
【1日目:講演&商談会のビジネスセッション】
初日は複合会議施設「ハワイコンベンションセンター」にて、日本とハワイの観光業界動向に関するマーケットアップデートの講演や基調講演、商談会や懇親会を開催しました。
ハワイ・ツーリズム・オーソリティのブランド統括責任者であるカラニ・カアナアナ氏はオープニングの挨拶で、「ハワイは日本からの旅行者を大切に思っている」と日本側に向けてメッセージを贈りました。その後、ミツエ・ヴァーレイ局長がマーケットアップデートと2023年の取り組みについて説明しました。ハワイへの全訪問者について、昨年は19年比で約90%、今年に入ってから97%まで回復しているが、そのほとんどアメリカ本土からの国内旅行需要によるものです。日本市場は、昨年は19年比でマイナス87%と厳しい状況にあることを説明しました。また、「水際対策が解消される5月が重要な時期」とし、観光局が推進する「マラマハワイ」のメッセージを伝える新広告キャンペーンの展開や、6月から「ロマンスマーケット」の誘致に注力すること、隣島プロモーションの一環としてリゾートホテルで楽しむゴルフの魅力の訴求を強化していく方針も明らかにしました。
日本側からは日本旅行業協会(JATA)海外旅行推進部の稲田正彦部長が、海外旅行の懸念事項のほぼ100%に「代金が高い」ことが挙げられていること、また旅行会社の人材確保の課題についても共有しました。好評のパスポート取得費用の半額を支援するキャンペーンを今夏に再び実施予定であることなど、継続性を持って多面的に海外旅行促進プロジェクトを推進していくと説明しました。
基調講演では、ハワイ大学マノア校経済学部の樽井礼教授が、「ビーチの保全は観光維持・促進に必須であること、観光客の減少による観光関連業界の収益の低下はハワイ経済に大きな損失に直結する」と述べました。またハワイの現状として、高波による海岸侵食が深刻化していて非常事態に値すること、ワイキキビーチの砂の補充など環境保全に必要な財源確保といった課題についても触れました。それに付随して、すでにダイヤモンドヘッドやハナウマ湾自然保護区で事前予約制度が導入され、入場料値上げが実施されたことを説明しました。ジャパンサミット2023のメインプログラムでもある商談会では、日本側とハワイ側の関係各社が最新情報のアップデートや今後のプロモーション、商品造成に向けて活発な情報交換を行いました。