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ハワイの観光業は、これまで訪問者数を増やすための観光戦略を優先してきた結果、近年は旅行者数が急速に増加し、ハワイの自然環境に影響を与え、住民の観光業への満足度が低下し続けていました。それを受け、ハワイ州の観光振興機関「ハワイ・ツーリズム・オーソリティ（HTA）」は、旅行者も住民も満足する観光地にするために、管理監督を重視するマーケティング戦略に転換しました。2020年初頭、2025年までのハワイの観光を支える目標と責任の指針となる６カ年戦略計画を導入しました。観光産業の多様化と持続可能性のために、50を超えるハワイの企業、団体、政府と策定した「ハワイ州観光戦略プラン2020-2025年」の基本計画では、(1)自然資源、(2)伝統文化、(3)地域社会、(4)ブランドマーケティングの4つが相互作用する「柱」を中心に編成されました。ハワイのブランドを維持・強化しながら自然環境、文化継承、豊かな地域社会に焦点を当て、引き続き第一次産業である観光業でハワイの経済を支え、持続可能な社会を作り上げていくことを目指しています。そのための主要業績評価指標（KPI）は、これまでの訪問者数で計測するのではなく、「住民の満足度」、「旅行者の満足度」、「1日の旅行者の平均消費額」、「総旅行者消費額」を設定しました。これに基づき、各郡の観光局および政府は、地域社会と共に観光戦略を立案し、各マーケットに適した観光促進活動の実施を目指すDMAP（Destination Management Action Plans）を策定、実施しています。
【ハワイ州観光戦略の4本柱の詳細】
自然資源（Natural Resources） 〜 自然・文化資源の尊重
ハワイの自然資源や文化的な場所を強化・保護し、ハワイに住むすべての人々の生活の質を向上させ、旅行者の体験を豊かにするためのプログラムに資源を活用します。
伝統文化（Hawaiian Culture）〜 ハワイ先住民の文化とコミュニティサポート
旅行者と住民の両方が本物の体験を通して、ハワイ先住民の文化とコミュニティの独自性を継承し、理解と尊重する意識を高めます。
地域社会（Community）〜 観光とコミュニティが相互的に豊かになるように支援
地域社会から評価され、ハワイのブランドイメージに合ったプログラムを支援することで、住民や地域社会が観光の恩恵を受けられるよう努めます。これらのプログラムやイベントの情報提供によって、旅行者と住民の関係性を強化することで、回復力のある観光と地域社会の確立を目指します。
ブランドマーケティング（Brand Marketing）〜 観光の貢献度の強化
ハワイ固有の文化や多様な地域社会、自然環境に焦点を当てることで、世界的に競争力のあるハワイブランドを協調的かつ信頼性を持って適切に守りながら向上させることで主導権を握り、ハワイの経済を支えます。さらに、マラマハワイをスローガンに掲げてレスポンシブル・ツーリズムを推進します。
「ハワイ州観光戦略プラン2020-2025年」英語版
「ハワイ州観光戦略プラン2020-2025年」日本語版
ハワイ・ツーリズム・オーソリティ（Hawaiʻi Tourism Authority）
ハワイ・ツーリズム・オーソリティは、ハワイ最大の雇用を創出する観光産業を戦略的に支援、管理するために1998年に設立されたハワイ州の観光振興機関です。観光産業の持続可能性と、州民や地域社会にもたらす利益を確保するために努めています。
https://www.hawaiitourismauthority.org
