マウイ・オーシャン・センターは、新たに非営利組織「マウイ・オーシャン・センター海洋研究所(MOCMI: Maui Ocean Center Marine Institute)」を設立しました。この9月に世界各国のNGO、研究者や企業や自治体１万人以上が参加してホノルルで開催された世界自然保護会議にて正式発表されました。
MOCMIの活動は、絶滅の危機に瀕したウミガメの保護プログラムの確立、希少なハワイ固有の珊瑚の培養施設の運営、そして海洋科学分野における人材育成のための教育プログラムの提供という３本の柱からなります。
MOCMIは、マウイ・オーシャン・センター内に、怪我や病気で保護されたウミガメの回復に必要な安全な場所と医療ケアを提供するリハビリセンターを設け、海への放流をサポートします。ウミガメ飼育の経験が豊富なセンターの海洋生物学者の専門チームが、新たに構成されるMOCMIチームとスキルや専門知識を共有することでレベルの高いケアの提供が可能となります。
気候変動や海の温暖化と酸性化は、世界の珊瑚礁や海洋生物に深刻な影響を及ぼしており、ハワイでも近年、珊瑚の数が急激に減少しています。この現状に対し、MOCMIではハワイ固有の希少な珊瑚を培養飼育し、海へ移植放流することを目的とした「コーラルバンク（珊瑚の貯蔵庫）」を新設しました。ハワイ州の水産資源課と連携して珊瑚の保護と培養の研究を行っているマウイ・オーシャン・センターがこれまでに蓄積したノウハウと知識、インフラを最大限に活用し、珊瑚の保護活動に従事します。
またMOCMIでは、海と海に暮らす生物の尊さについて学び、自然保護活動への関心を高める、幅広い年齢層向けの学習機会を提供しています。今後、地元ハワイのコミュニティ内での様々な教育活動をはじめ、海洋科学分野の人材育成を目的としたより多くのインターンシップの機会の創出を図ります。マウイ・オーシャン・センター海洋研究所について、詳しくは、http://mocmarineinstitute.org
をご覧下さい。
マウイ・オーシャン・センター海洋研究所について
地球規模の気候変動による環境問題や非営利組織による実践的な保護対策の必要性の高まりから、マウイ・オーシャン・センターによって2016年4月に設立された非営利組織。2016年9月のIUCN世界自然保護会議で、今日の海洋環境と海洋生物が直面する深刻な問題に対処するための組織として、「マウイ・オーシャン・センター海洋研究所」が正式に発表された。 ハワイ州、連邦政府および民間団体との緊密な協力体制のもと、減少の一途をたどるハワイの珊瑚の保護や絶滅危惧のウミガメのリハビリテーション、海洋科学分野のキャリアに貢献する教育機会の提供を目的に活動を行う。
